カテゴリ:ハルザキヤマガラシ駆除( 13 )

ハルザキヤマガラシ情報ー5
2016年5月のハルザキヤマガラシ

去る5月18日に藤原岳山頂に4名で登ってきた。 この日は、同行の主導者が、三等三角点付近にあるヒメニラの確認や山頂のフクジュソウの葉の採取(専門家へのDNAサンプル送付)など複数の用があったため、ハルザキヤマガラシのほうは、実験地の様子を見たり古くなった目印の赤布の交換などが主となって、害草の駆除はほとんど短時間しか作業ができなかった。
18日はさわやかな晴天で、ふりそそぐ日光に洗い清められ、藤原岳・展望丘がこんなに陰影濃く美しく見えたのも久しぶりのように思えた。

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展望丘に居る人からは、グーグルマップの紹介写真数葉の誤った説明にあったとおり「5月中旬の麗しい高山植物群落」ならぬ「鉱山植物」の外来種・ハルザキヤマガラシが黄金色の海となって眼下に展開していたことだろう。  おなじことが、伊賀の山・旗山(649m)の山頂でも見られている。 ここも山頂近くまで鉱山会社が大きく山を掘削しており、山頂にはこのころ、ハルザキヤマガラシならぬジギタリスの花の群落が付近を紅く染めているはずだ。 ジギタリスは花期の長い花と聞くので、旗山山頂もこの「高山植物群落」で有名になり、以前にも増して親愛される山となるかもしれない。

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砕石・砂利をとるために削られた旗山        山頂まで土肌になった旗山

ここのわずかに残ったフクジュソウも知人の探求の努力の結果、ふつうのAdonis ramosa ならぬ他の種となるとのことで、藤原岳孫太尾根や入道ヶ岳のフクジュソウと同じく三重県下の貴重種として今後あつい保護が必要な花のようになりそうである。 この旗山は三重県下にあって亀山以西の名山、伊賀地区の名山として渋いハイカーに親しまれてきた山であり、ちょうど霊山と向かいあう位置に存在する。 藤原岳孫太尾根と同様に、この山も建材会社が砕石や砂利の採取を目的に山の半分近くを削りとっており、そのむきだしの土肌は名阪国道の車窓からも一望できる。 
今年2月に訪ねたおり、山頂の若芽の群落を見て、これ何なんだろうかと話題になり、一株持ち帰って庭で育ててみたら、なんと全草に猛毒をふくむジギタリスであり、鑑賞用ならびに薬用にも使われるというので、旗山や余野公園ちかくにある大手医薬品会社の薬草園あたりから鉱山開発に伴って逸出したと思われるが、あるいは鉄塔建設が関係したかもしれない。

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群落をなす旗山山頂の不明種             自宅で咲いたジギタリス

本題の藤原岳のハルザキヤマガラシのことに戻るが、現在、山頂におけるハルザキヤマガラシ非侵害の広野を観察すると、ササとイワヒメワラビの枯れ死に残骸と新しいイワヒメワラビの若葉が主たる植物のようである。 みなの目につく小屋周辺はさすがにハルザキヤマガラシの存在は見なかっが、いなべ市教育長の「まったく生育していない」という議会答弁とは異なって、展望丘がわの大斜面や山荘うらがわの丘陵にも、すでにハルザキヤマガラシは点々と進出しだしている。  旗山のジギタリスのように、いずれは藤原岳の山頂部全体もハルザキヤマガラシの展開がふつうの姿になるのかもしれない。 行政はこうした事態を放置しておいて良いのだろうか? 何らかの対策を講ずるべきではないのだろうか。

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咲きにおう「鉱山」植物ハルザキヤマガラシ    5、6月は黄金の帯になる

私たちには、駆除作業後の時間を経た結果の観察と反省が必要だ。それも長期の観察がだいじだ。 作業としては、春と夏後の年2回の抜き取り作業が必要ではないかと感じている。 これまでの経験では、2,3年の抜き取りの継続で、かつて密生していたハルザキヤマガラシの群落地は写真のとおり今回一本も生育を見ない場所にまで完全に押さえこむことができたが、その後の状況は不明であり、今後の見通しもそう甘くはないだろう。 左の写真では見づらいが、抜いたあとの土地には、在来種のヒロハアマナの葉が多数みられた。生育が楽しみだ。

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抜きつづけた実験地の現状             草木の無い山頂の広い空地

刈るにしろ抜くにしろ、処理した害草の放置方法の工夫が必要なように感じる。 抜いたものに土を大量に付けたままでは再び花を咲かし種子を生産し拡散してしまう。 ビニールシートなどで囲んで周囲を石で押さえ、内部の草を枯らす方法などはどうであろうか。

それと、山頂部の小屋ちかくまで鉱山会社の車道は伸びてきており、多数の作業者が会社の協力さえあれば道を使って容易にハルザキヤマガラシ駆除の現場まで車で往復できるようになっている。

今こそ藤原岳の自然保全への、行政と会社の姿勢を問いたい。        2016年5月25日

                                    藤原昧々 記




















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ハルザキヤマガラシ情報ー4
今春2016年のハルザキヤマガラシ報告
                                藤原昧々 記

4月19日(月)、天気は快晴。 気になっていたハルザキヤマガラシの現状を見たくて藤原岳山頂部に登ってきた。 あわせて抜き取り作業もやってきた。 私事で恐縮だが、このところ体力の衰えや体調の不如意がつづいており、心配していたヒザ痛もやはり起こって下山にたいへんな時間がかかり、戻った駐車場には、我々の車一台だけがぽつんと残っていた。

今年は、晩冬から初春にかけて気候が異常に暖かく、桜の開花も早かった。 この日は、ユリワサビやマルバコンロンソウの白い花がとりわけ美しく咲き乱れ、ヒロハノアマナ、トウゴクサバノオ、ミノコバイモの花もたくさん見られた。
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ヒロハノアマナ                    トウゴクサバノオ


さて、私たちの7、8m四方の実験観察地では、ハルザキヤマガラシの生育は50~60個くらい見られた。 もとは数倍以上だったわけで、これを多いと見るか私のように少ないと見るかはわかれるところだろう。 
心なしか、増えた空白地には、作業による土壌攪乱どころか、在来種のヒロハノアマナの生育密度が高くなっており、従来散見されたオオバコ類、イ、ドクダミなどは皆無だった。 これは我田引水的な感想かもしれず、さらなる観察が必要だ。
実験地内の作業はすぐ終了したので周辺に場所を拡張して抜き取り作業をした。 
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作業まえの実験地内                  ヒロハノアマナが増えた


暖かかった今年の場合は、ハルザキヤマガラシの抜き取り作業は、もっと早期にやれば、小さい草丈のものが対象になって作業も楽だし、周囲の土の掘り返しへの悪影響も少なかっただろうと、反省している。

ハルザキヤマガラシは写真のとおり、土中の長い根の中途からも芽をのばしてくるし、地上花茎の下部からもつぼみをつけて開花・結実する厄介な害草である。 環境にしぶとく適応して繁殖すると言われる。 だから、上部の花の刈り取りだけでは不十分であろう。
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根の中途から発育                   花茎下部での発芽 …見えますか?
 

抜去したハルザキヤマガラシの廃棄方法についてだが、私たちは、テーブル状の大きい岩のうえに抜いた草を積み重ねて置き、それを石や木で抑えて放置して枯れるにまかせている。 持ち帰る必要はなく、それで結果は問題ないようである。 しかし、多数の作業者が出す大量の廃棄草の山の場合は、岩の上では間にあわないので地上の一カ所に集めるしか方法がないが、その場合、ビニールシートなどで上を覆って、シートの周囲を石で抑える方法などはどうであろうか。 なにか改善の余地がありそうだ。
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前回の抜き取り放置草                  木で押さえた草


セメント会社は鉱区拡大にあわせて、車用の新道を西側に延ばしている。 この車道を車で利用させてもらえれば、多くの作業者が自由に時間をかけて駆除にあたれる。 ハルザキヤマガラシ蔓延の元凶が会社の鉱山開発行為にあったことは明白であるだけに、会社は害草防護に進んで協力する姿勢を示してほしい。 それでこそ、自然環境に優しい大企業と公言できるのではないだろうか。

昨年も本ブログで報告したとおり、ハルザキヤマガラシ駆除は、4月の早期と9-10月の秋生え刈り(昨年9月の拙稿「ハルザキヤマガラシ情報ー3」を参照)の年2回が適当だと思われる。
これを人海戦術で数年間続けるのがどうだろうか? 絶滅は不可能だが、蔓延をくい止めることは、どうしても図らねばならない。

Googleマップの藤原岳を見ると、「五月初旬のお花畑」と題して、ハルザキヤマガラシ蔓延の実態写真が黄金の「美景」として3枚も添えてあった。 「鉱山植物」ならぬ「高山植物」のお花畑と嘆賞されて採用されたのか? 「花の百名山」藤原岳がこのようなぶざまな誤解写真で紹介されるようになった事態に、関係者の方々は胸をいためてほしいと切に願う。
早期に防止に向けて、とりくまなければならない。

                                  2016年4月23日 記








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平成27年度いなべ市第4回定例会 議会質疑  (未校了)

○清水実議員  次、2のハルザキヤマガラシについて教育長に問います。
  教育長、平成25年12月定例会の一般質問に対し、ハルザキヤマガラシの群生地の駆除は、専門家も人もおらんのでしないという答弁がありました。これは議事録にも載っております。
 (1)藤原岳第3巻(2014年度号)に記載されているハルザキヤマガラシの駆除作業を多分お読みになったと思うんですが、それを読んでどう思われておるのか。
 (2)事業者と対等に話し合い、解決すべきと考えるがどうか。
 (3)自然保護関係者、これは1巻目を読んでもらうとわかるんですが、いろんな関係者が出てきます。そういう人とも対等に話をして解決すべきと思うんですが、そういうことに対する教育長のお答えをいただきたい。
  以上。
○議長(川瀬利夫君)  教育長、片山富男君。
○教育長(片山富男君)  2、ハルザキヤマガラシについて教育長に問うということで、(1)藤原岳自然科学館館報第37巻(2014年度号)に掲載されているハルザキヤマガラシ駆除作業を読んでどう考えられるのかの御質問にお答えいたします。
  館報の報告にありますとおり、藤原岳山頂付近のハルザキヤマガラシにつきましては、今、生育しているところを完全に駆除することは大変難しい状態にあります。ただ、対策といたしましては、これ以上、生息範囲が広がらないようにすることが大事であると考えます。
  なお、藤原岳は鈴鹿国定公園の中にありますことから、自然公園法、あるいは自然環境保護法、三重県自然環境保護条例等、関係法令に基づきまして、国定公園の管理者である三重県が対策を講ずべきことでございます。
  いなべ市といたしましては、三重県からの要請や働きかけがあれば、市としてしかるべく対応をしてまいりたいと考えております。
  次に、(2)事業者と対等に話し合い、解決すべきと考えるがどうかの御質問でございますが、今、申し上げましたように、国定公園を管理するのは三重県農林水産部みどり共生推進課が自然公園班をつくって担当しておりますので、県の農林水産部と事業者との話し合いはされるべきかもしれませんが、いなべ市といたしましては、そこには関与する立場にもございませんし、そのような権限もないと考えております。
  (3)自然保護関係者とも話し合うべきであると考えるがどうかの御質問をいただきました。
  話し合いと申しますよりも、既に駆除対策で各団体との連携は進めております。具体的に申し上げるならば、本年度4月25日には山岳連盟の方々と自然科学館とで、避難小屋周辺にて共同駆除作業を行っております。また、その翌日、自然保護団体による駆除作業が実施されております。それからもう一つ、5月24日にも山岳連盟で75名の方が出られて、山頂付近の駆除作業をされております。
  三重県のホームページを議員もごらんになられたかと思います。あるいは大貝戸の登山口の休憩所及び山頂の藤原山荘にハルザキヤマガラシの駆除についてのチラシが掲示されておりますが、その中で、実施計画書と報告書の協力を県がお願いしており、その取り組みにつきまして、いなべ市としてもできる限りの連携を図っているところでございます。
  以上でございます。
○議長(川瀬利夫君)  清水 實君。
○11番(清水 實君)  ずっと、今回、一般質問を聞いとる中で、本当にみずから汗を出してしようとしておる部長は1人もおらんように思うんです。教育長、例えばあなたは何本このハルザキヤマガラシを頂上へ行って抜きましたか。何回、見に行ったんですか。誰から聞いても、教育長の姿があったとは報告がないんです。
  それと、こういう面倒くさいことは駆除はせんのやと。人がおらん。せんのやといいながら、汗をかいた人はボランティアばっかりやないですか。そういう人に汗をかかせて、高いところへも行かんと、こんな涼しいところにおるという姿勢の真意がわかりませんが、しんどい駆除はおれはせん、ああいう好き勝手な物好きなやつにやらせとりゃええんやという考えにしかとれませんが、教育長、本当のことを教えてください。
○議長(川瀬利夫君)  教育長、片山富男君。
○教育長(片山富男君)  私、みずから藤原山頂へは足を運んでおります。9合目から山頂にかけて、この前、登ってきたんですが、ロゼット状になっておりました。ハルザキヤマガラシというのは、御承知のとおり、外来生物でございます。しかも駆除すべき対象になっていない植物でございます。これは環境省から指定されたように、まだまだ調査が必要であるし、知見が必要であると。そして、その上で駆除対策を図らなければいけない特定外来生物ではないものであるということで、まだまだ、今後、研究が必要なんだ、調査が必要なんだと環境省から言われておる関係で、県もそのような形で動いておりますが、そうは申し上げましても、山頂では本当に広く繁茂しているということで、私も登って対応させていただいたんですが、9合目から山頂にかけて、山小屋の300メートル手前ぐらいからぼつぼつ出てまいります。しかも秋ですので、ロゼット状で出ております。2株ありました。それから山頂の山小屋周辺ではちょっと写真も撮ってきたんですが、岩場の間にこのように幾つかあります。ロゼット状で繁茂しております。つまり種子で発芽したものではなくて、根こそぎ抜けませんので、茎の基部のところから芽が出てきて、それが広がっておる。そして一番の群生地と言われる事業者の近くは、本当に見事にロゼット状のハルザキヤマガラシがございました。
  このことで、今、各保護団体が本当に動いていただいてますし、先ほど、行政は何もしとらんやないかとおっしゃいましたが、藤原岳自然科学館、それから自然学習室が動いております。自然学習室の担当者も、この前、登ってきて、教育長が言われたこととまさに同じような状態であったということで、今、申し上げたような状態であるということでございます。
○議長(川瀬利夫君)  清水 實君。
○11番(清水 實君)  今、教育長の話を聞いとると、できんということをみんなに説得しとるような話だけです。汗かいて、こうするんやということは一言もないんです。せんでもええような理由は上手に言わっせる。 実際、汗をかいて、一本一本抜いとるのは、ほとんどボランティアの人じゃないですか。 私が腹が立つのは、教育長が泥まみれになって、こうしたい、ああしたいというて、そういう姿を市民に見せる、それがやっぱり物を教える教育長の立場やと思うんやけど、全然違う。 いろんな小理屈を言うだけで、みずから汗をかいて仕事をしようとせん。そういうのでは非常に情けない。
  私は、企業へも行った。企業のポスターを見ると、企業活動で自然保護にも先進的に努力をしますという大きなうそのポスターが張ってある。
  これは、この間も企業に行って、私らが物を言えるのはどこですか。これは株主総会しかないわなと。どれだけの株を取得すると、株主総会に出れるのか。それはこれから一般の人に協力を求めて、こういうふうなあれで、株主総会で物を言いたいんやが、寄附を募って株主総会に出ていって、国定公園を了解したのは太平洋セメントです。国定公園でありながら、貴重な植物がだんだんなくなっていく。きょうの市長の話でも、これからは観光に力を入れるという話をされました。観光に力を入れる、ましてや花の百名山と言われた藤原岳にハルザキヤマガラシがうんざりするほどあっては、何が花の百名山ですか。そういうことも含めて、今後は企業と対々に話をし、なおかつ、1人でも多く参加してもらえるような組織をつくって、ハルザキヤマガラシがなくなるまで、5年かかろうが、10年かかろうが抜き取ってしまう、そういうことに力をかそうとせん教育長の姿勢は非常に情けない。
  今まで現地で取り組んでやった人、正規の職員は1人もおらせんやないかね。
  そういうことを今後も反省もせず続けられるのかどうか、その点、する、せんの二つのうち、どっちかの返事を教育長にしていただきたい。
○議長(川瀬利夫君)  教育長、片山富男君。
○教育長(片山富男君)  議員の御質問に直接お答えできるか、ちょっと外れるかもしれませんが、誤解していただくと困ります。
  今、ハルザキヤマガラシが山頂に繁茂しているところと、9合目から山頂にかけ2株、それから山荘の周辺に何株かということを申し上げました。これ、全て裸地化したところです。展望台へ行くササのところには1株もありません。つまり、今、鹿の食害によって植物が食い荒されて、裸の状態になったところにハルザキヤマガラシが繁茂しています。ササであったり、植物があるところには広がっておりません。今、議員がおっしゃったように、このままいったら花の百名山はだめになってしまうという言い方は違います。そこをきちんと理解していただいて、今、県が進めようとしているのは、調査をした上で、知見も得ながら、どのような形で駆除ができるのかを、きちっとした上で取り組もうということなんです。
  今、保護団体の方々がいろいろ努力いただいていますが、その方々が抜き取られた後の根が残っておるところから出てくるんです。それが駆除対策として一番適した形ではないという問題が出てきておるので、これからどのようにしたら完全に駆除できるのかを、みんなして頑張ってやっていこうと。自然学習室もそのことを県と連携しながらやっておるわけです。
  以上です。
○議長(川瀬利夫君)  清水 實君に申し上げます。発言時間は4分。
  清水 實君。
○11番(清水 實君)  今、教育長にえらい力説を聞かせていただきました。だったら、教育長も時間があるんだから、それぐらいの勢いで山へ駆除に行ってもうたらよろしいやんか。ほかの者ばっかりにさせやんと。
  これは三重県だけの問題じゃないんです。そういう状況にしたのは、国も悪いし、県も悪いし、一番悪いのは市です。そういうことに真剣になって取り組む姿勢が一番大事です。
  今の教育長の力説しとる話を聞いとると、すぐ足を運んで駆除をする時代はまだこれからなんやと、研究なんやと。
  きのうも県へ電話したんです。あんたら、何回、行っとるんやといったら、答えられません。県の職員も二、三人が来とるだけ。いなべでも正規の職員はほとんど行ってません。館長にしても、彼も正規の職員じゃあらへんわな。そういう人ばっかりを頼って、あとはいろんな資料を読んだことをここで大きな声で力説しとるだけやないかね。教育長、あんた自身がもっと小まめに行ったらどうやね。そういう姿勢が全然見られません。
  もう時間も2分しかないので、これ以上、大声で猛ってみても何の意味もありませんので、私は、今後、自分自身でどう行動を起こすかということも考えて、一番昔からよう知っとる教育長の知恵も借りながら、何かの結果を二、三年後には出したいと思いますので、教育長、そんに山へ行ってもらわんでも、知恵をかしておくんなはれ。金は貸して要りませんから、知恵を。
  これで終わります。
○議長(川瀬利夫君)  清水 實君の一般質問を終了します。


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写真左:荒廃した山頂部             写真右:ハルザキヤマガラシが蔓延する山頂部

私のコメント(藤原昧々 記)

教育長の片言節句をとらえてコメントするのは避けたい。 答弁中、下記のような発言を読むと、私には、教育長の考えには2つの誤解があるように思える。

 「今、ハルザキヤマガラシが山頂に繁茂しているところと、9合目から山頂にかけ2株、それから山荘の周辺に何株かということを申し上げました。これ、全て裸地化したところです。展望台へ行くササのところには1株もありません。つまり、今、鹿の食害によって植物が食い荒されて、裸の状態になったところにハルザキヤマガラシが繁茂しています。ササであったり、植物があるところには広がっておりません。今、議員がおっしゃったように、このままいったら花の百名山はだめになってしまうという言い方は違います。そこをきちんと理解していただいて、今、県が進めようとしているのは、調査をした上で、知見も得ながら、どのような形で駆除ができるのかを、きちっとした上で取り組もうということなんです。」(教育長答弁)

ハルザキヤマガラシが山頂部に広範に繁茂したのは、答弁にあるように、シカの食害で裸地化した場所であるが、その現象はここ十数年間ほどのことであり、元凶はといえば、教育長はいっさい言及していないが、セメント会社の事業による土地掘削が原因である。 無数の運搬車両のタイヤについた下界の種子がまず鉱区周辺にものすごい繁殖地を形成してしまった。 洗い場を設置して有効な農薬の水槽で車両のタイヤを毎回洗浄しておれば防げたかもしれないが、ハルザキヤマガラシに有効な薬品が発表されだしたのは最近のことであり、防ぎようはなかった。 作業員の塵肺障害もそうだったろうが、〈開発〉の恐ろしさは、人類未知の現象を社会にもたらすことでもある。
シカの食害による裸地化があきらかに国定公園の荒廃をまねいているしハルザキヤマガラシの蔓延の原因にもなっている。 シカ対策は急務なのだ。 そして社会的責任を負う事業者の協力もぜったい必要だ。現在まではいっさい協力はない。アセスであれほど自然環境への配慮を約束した大企業としてその姿勢はどんなものか?

もう一点指摘したいのは、研究だ、調査だといっても、これはあくまで抜き取り作業を現地でやってみて、そのプロセスや結果をあれこれ検討した上での調査・研究であり、手を拱いて懐手をしながら眺めて済むことではない。 研究は膨大な作業でもあり、組織的な動員が必要になる。早急に県は協力団体を組織しなければならない。

以上、答弁中気になった2点を書いたが、もうひとつ言いたいことは、藤原岳はもう「花の百名山」ではないことだ。 周辺部にはまだ貴重な生態系が残されておりその保護は急務ではあるが、本体の藤原岳の8合目以上は荒廃しつくして貴重な在来種は激減か絶滅してしまった。 昔のあのお花畑の山頂は消えており、訪れる人には恥ずかしい。市の職員も現地でそう感じるだろう。 地元の自然は地元ががんばって守らなければどうしようもない。 県や国に責任転嫁したり指図待ちをしているような消極的な姿勢ではどうにもならない。

さて、いなべ市教育長は、以下のような答弁をなされており、それぞれ注目される。

「国定公園の管理者である三重県が対策を講ずべきことでございます。 いなべ市といたしましては、三重県からの要請や働きかけがあれば、市としてしかるべく対応をしてまいりたいと考えております。」

「国定公園を管理するのは三重県農林水産部みどり共生推進課が自然公園班をつくって担当し  
ておりますので、県の農林水産部と事業者との話し合いはされるべきかもしれませんが、いなべ
市といたしましては、そこには関与する立場にもございませんし、そのような権限もないと考え
ております。」

「ハルザキヤマガラシというのは、御承知のとおり、外来生物でございます。しかも駆除すべき対象になっていない植物でございます。これは環境省から指定されたように、まだまだ調査が必要であるし、知見が必要であると。 (中略) まだまだ、今後、研究が必要なんだ、調査が必要なんだと環境省から言われておる関係で、県もそのような形で動いております。」

「自然学習室の担当者も、この前、登ってきて、教育長が言われたこととまさに同じような状態
であったということで、今、申し上げたような状態であるということでございます。」

「今、保護団体の方々がいろいろ努力いただいていますが、その方々が抜き取られた後の根が残
っておるところから出てくるんです。それが駆除対策として一番適した形ではないという問題が
出てきておるので、これからどのようにしたら完全に駆除できるのかを、みんなして頑張ってや
っていこうと。自然学習室もそのことを県と連携しながらやっておるわけです。」








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       初秋のハルザキヤマガラシ
                                    2015.10.03 

先月の9月15日に、ひさしぶりに藤原岳を訪ねた。 
4月・5月に抜き取りに精を出したハルザキヤマガラシの現在の状況を知りたくて、同行者一人と山頂部に向かった。

密生地各処のハルザキヤマガラシは、種を飛ばしたあとの白っぽい空きサヤの殻を天空にさらして枯れた茎を至るところに残していた。 また地表には、地中に残存している根茎から芽を出しはびこった緑濃い葉がりっぱに成長して張り付いていた。 これは実は専門家の論文によると、根から出たものばかりではなく茎基部から発生したロゼットによるものだと知った。 こうして、花からの種を飛ばして枯れ果てた春生えの草とは別に、秋は秋で害草はしっかりと緑の葉を地表に広げているのだ。
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種を出した後の白っぽい殻と枯れた茎を見せる春生えの密生地のハルザキヤマガラシ

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夏から秋に生育した花のない葉と根茎だけの害草    枯れた春生えと葉だけの秋生えの群生地


一方、抜き取ったあとの草の処理に我々は悩んだわけだったが、ビニール袋に収めて持ち帰りきれず、木の又や、岩上に放置してきた参加者たちの草は、伸びきった茎が木化し枯れた束になって風化していた。これはこれで結果的に良かったのだ。
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春に抜き取って岩の上などに放置されていたハルザキヤマガラシの残骸

赤布を四隅の樹木の枝に掛けて、徹底して害草を抜き取った実験の場所は、ご覧のとおり、幾本かの秋生えの草が出ていただけで、見かけのうえはきれいになっていた。 われわれは、その新しいハルザキヤマガラシをさらに抜き取って、岩の上に置き、石で抑えてきた。 来春、その実験地と岩の上の草の状態を観察したい。
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前回抜きとった実験地と、秋生えを取り除いた跡。 赤布が見える。


6月の種の成熟期まえの生殖繁殖の害草抜き取りに加えて、9・10月の花を摘けない秋生えの栄養繁殖の害草を抜くことを数年続ければ、その場所はハルザキヤマガラシの発生をかなりの程度防げるかもしれない。 このことは、数年間の観察を経てわかってくることで、即断はできない。
秋のハルザキヤマガラシは、葉を広げて栄養をたっぷりと根に蓄えているのかもしれない。
年に2回の抜き取りを実践することが、ハルザキヤマガラシ防除に効果があるような印象を今回は持った。 

当の山小屋周辺には、ハルザキヤマガラシの生育があちらこちらに散見された。 抜いていた方からは、新設のトイレ工事によって周囲が人為的に攪乱されたために害草が息を吹き返したのだという考えを伺ったが、私には、従来まったくハルザキヤマガラシの姿を見なかった小屋周辺にどのようにして害草が侵入しだしたかの側面を考えると、害草のまったくない展望丘までを往復する多くの登山者の靴などや工事の人為的攪乱もその原因ではなく、おびただしいシカの往来とか、密生地からの鳥による種子の伝播などが原因であり、根本の密集地が無理でも、少なくとも小屋に近い前衛地の絶えざる駆除を図らなければ、小屋周辺の害草の問題は解決しないのではないか、と思った。 小屋周辺だけに防除を限局したい気持ちはわかるが、孫太尾根上部の岩礫地にもハルザキヤマガラシは蔓延しだしていると聞く事実を想起してほしい。 あとで判明したが、これらも茎基部から発生したロゼットによる秋の栄養繁殖のハルザキヤマガラシであった。 
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小屋周辺の秋生えのハルザキヤマガラシ。 左写真の中央に2個、見られる。

だが、ハルザキヤマガラシは、セイヨウタンポポのように種の飛散が主因で蔓延するとも思えない。  りっぱな雨量計が新設されており、そこまで新しい車道が山頂に伸びてきている。 その道路の両側には早々とハルザキヤマガラシが根づいて葉を広げていた。 
そうかといって、ご覧のとおり、山頂部にはハルザキヤマガラシがひとつも見られない広大な空き地があちらこちらに見られる。イワヒメワラビもまったく侵入していない文字どおり不毛の地だ。 展望丘への登山道でも、小屋周辺ちかく以外にはまったく害草の姿がない。 私には全然理解できないような、なにか土地と草との間に謎にみちた〈相性の相違〉があるのだろうか。
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このような不毛の地がたくさんある      右は初秋の頂上部の風景


すくなくとも、セイヨウタンポポがどの空き地にも飛散して暮らすのとは違って、ハルザキヤマガラシは、特定の人為的な荒れた場所だけを好むことは事実のようで、下界では荒れた河川敷でしか姿を目にしない。 展望丘の頂上部はその人臭さから、小屋周辺同様に次の格好の生育地になるのかもしれない。 いや、山頂部で、誰も寄りつかないようなひっそりした岩だらけの周辺にもハルザキヤマガラシがしっかりとはびこっている場所は多い。 いよいよ私にはわからなくなる。

すでに文中に触れてはいるが、植物を研究しておられる方から、橘雅明氏による「東北地方における帰化雑草ハルザキヤマガラシおよびカミツレ類の生態と防除について」(東北農研研報 2011)という論考を紹介された。
これを読み、生殖繁殖の一年生のハルザキヤマガラシから栄養繁殖の多年生のハルザキヤマガラシへの移行という、環境に対応して生き残ろうとする外来害草の生活史の変更という戦略の実態を知った。 また、花だけを摘むような草刈り的な方法は、かえってハルザキヤマガラシを多年生のしぶとい害草に変えてしまうまずい結果を生むということも知った。 東北地方の圃場や田という環境での観察と藤原岳山頂の環境での結果はまた違ってくるのかもしれない。 即断はできない。

次回に、橘氏の論文からの私の理解と要旨を列挙してご紹介したい。
(藤原昧々 記)




ハルザキヤマガラシ情報 - 4


橘氏の詳細な専門論文を、門外漢ではあるが、筆者が読んで、一応、ブログ読者の方に要約したかたちで文章化させていただき、私の感想を記した。 
まずは「東北地方における帰化雑草ハルザキヤマガラシおよびカミツレ類の生態と防除について」の要約と抜粋です。

ハルザキヤマガラシは、原産地ではサラダ菜として食用のため栽培されていたが、その種子が逸出し野生化していた。
畜産飼料として輸入された外国産の濃厚飼料にその雑草種子が混入して日本に移入された。 家畜が飼料を食べ、その糞から日本での生育が始まった。あるいは、家畜の堆厩肥を発酵未純なまま圃場に散布し、日本国内に定着したのであろう。
蔓延した理由は、対抗する病原菌、天敵、競争相手などが日本では完全に欠落していたからであろう。
ハルザキヤマガラシは、東北地方では4月中旬に花軸を抽だいし、5月上旬から下旬に開花し、6月中旬から7月上旬にかけて果実が成熟し、その後に種子を散布する。(筆者註:この生活史は藤原岳山頂でのハルザキヤマガラシのそれとほぼ同じである。)
ハルザキヤマガラシは、著しい耐水性をもつ。2年間水中保存したハルザキヤマガラシの種子の30%は発芽可能
種子の伝播には、水流の関与が大いに推定される。そのため、河川や用排水路の周辺に繁殖しやすい。
東北全県には、1990年代に爆発的に拡散し定着してしまった。
ハルザキヤマガラシは有性繁殖(長角果に種子を付け散布する)と無性繁殖(根から生じる不定芽、ロゼット葉の葉腋から生じる脇芽、茎上葉の葉腋に形成される茎上ロゼットの芽などからの発育)という多様な生活史を示す種として知られる。
春の発芽個体は有性繁殖であり、二年生として生育・繁茂する。
秋の発芽個体は栄養繁殖であり、冬性一年生として生育する。
茎が刈り取られたり、種子散布をした茎が枯れると、茎の基部につく新しい芽からロゼット葉を発達させる。 
刈り取りの損傷が、栄養生長から生殖生長への資源分配の変更を遮り、親個体からの再生を増加させる現象がみられる。 花の形成が妨げられると、生殖生長から栄養生長および新しいロゼットの形成に移行しやすい。 
そのため、刈り取りなどの人為的攪乱によって次年あるいはそれ以降に開花が延ばされると、ハルザキヤマガラシは多年生として生育する場合が多い。
だから、それぞれの個体が種子繁殖によるのか栄養繁殖によるのかを調査する必要がある。 すなわち、生活史の変動、および根の断片の生存能力を調査する必要がある。
茎を刈り取っても、半分以上のハルザキヤマガラシは、茎基部に新しいロゼット葉を形成する。
ハルザキヤマガラシは、主茎がなくなっても、ロゼットを複数年にわたって形成し、多年生の性質を示す。
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春に開花する有性繁殖のハルザキヤマガラシと、その秋の種子散布後の枯れた草

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無性繁殖の秋のハルザキヤマガラシと、抜き取った個体

したがって、草刈り回数が多いほど栄養繁殖を促し、生存率は高くなる。圃場での草刈りは、ハルザキヤマガラシの生育相を生殖生長から栄養生長に移行させ、同種を一年生から多年生植物に誘導し移行させて生存率を高め、生き残りしやすくする結果を生む。
圃場でのハルザキヤマガラシは、このように、ふたつの異なる管理作業(耕起と草刈り)に対応するため、種子繁殖と栄養繁殖とに生活相を変更して生き残る戦略をとる
根の断片の萌芽率は、乾燥と腐敗には弱い。 土壌が適度に湿った状態が最適である。
ハルザキヤマガラシの防除には、拡散経路を確定し、拡散経路の遮断を試みる必要がある。
                                (以上)

この論考を私に紹介してくださった、畏敬するある植物研究者は、こんな推論を私に語られたことがある。
藤原岳山頂で昭和の初期以前に、家畜の飼育がなされてはいなかったか。 輸入された飼料の使用が、山頂でのハルザキヤマガラシの発生をみたということはないのか。
ハルザキヤマガラシは、標高的に高いところから低い場所に蔓延した。
雨や雪解け水が、ハルザキヤマガラシの種子の伝播に関係しているようだ。

以下は筆者の私見です。
藤原岳山頂でかつて牛馬の飼育が行われたという事実は、現地古老の証言にはなかったし、外国産の濃厚飼料が日本に輸入されて使用されだしたのは、筆者の家業がかつて飼料商でもあったし、知るかぎりでは農家での使用は戦後のことなので、この点はあたらないと思う。
やはり、セメント鉱山の開発と採掘において車両のタイヤが媒介したとしか考えられない。
種子の拡散に、雪解け水の介在はおおいにあったと、指摘されてみて思いあたる。
雪解け水が残りそうな場所にハルザキヤマガラシは繁殖していそうであるし、何の植物も生育していない不毛の地は、周囲よりも小高い乾燥しやすい空き地のように思われる。ハルザキヤマガラシの根は乾燥に弱いし、荒地に生育し北部鈴鹿山系にも多いシダのイワヒメワラビも陽地から半陰地を生育の場とすると図鑑にあるが、乾燥し過ぎる場は避けるのかもしれない。
雨量計への新しい道路が山頂にできていたが、道路は周辺より低地になり、車両のタイヤも入ればハルザキヤマガラシの種子は容易に侵入する。

今のところ想定される私たちのハルザキヤマガラシの防除方法は、以下のようなものになるだろうか。 もっとも何年かの観察と試行錯誤がその前提になるのだが。

5月の開花期とあわせて10月ころの秋季にも再度、栄養繁殖のハルザキヤマガラシを根から抜き取ることが効果がありそうである。
蔓延されては非常に困る場所を特定し、そこへの侵入経路を抜き取り作業などで遮断する。
行政の方々は、登山者の目に入りやすい場所である、登山路や小屋周辺、休憩場所での繁殖を抑制したい意向なのかもしれない。 外見だけは大事にしたいお気持ちだろうか。
山荘の掲示ポスターには、作業する者の登山路以外への立ち入りを牽制したり、土地所有者にあらかじめ承諾を得よと無理難題が書かれている。 県が会社の承諾をとっておけば済むことである。
とは言っても、以前には山全体を蔽っていた美しい在来植物が激減か全滅してしまった藤原岳本体の現状を思うと、ハルザキヤマガラシの蔓延から藤原岳を守るべき貴重な自然はもう無いも等しいと言えるし、鉱区の拡張はどんどん進行するので、もう防除は無意味だと思っておられるのかもしれない。山頂は、下界と同じの、ドクダミ、オオバコ、イワヒメワラビ、ハルザキヤマガラシの広場に近いので、それも理解できる。

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山頂の小屋に掲示されているポスター(ダブルクリックで拡大)

県の同ポスターにも紹介されている、花だけを刈り取るという一つの方法は、ハルザキヤマガラシの多年生への変換をより促進し、害草をたくましくして、防除の手立てをより困難にするのかもしれない。

論考の著者も書かれているとおり、原産国での生育に関する知見だけでは防除は不可能であろう。東北地方の圃場とは異なる、藤原岳山頂という新しい環境でのハルザキヤマガラシの生育状況をもっと調査し皆で対策を講じあう必要がある。
(2015年10月05日 記)















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          連休後のハルザキヤマガラシ

5月10日の作業の総括                       2015.05.13

〔経過〕
5月10日に今年第2回目の作業を行った。
現場へは、山荘から展望丘への登山路を凹部にいったん下がり、ゆるやかにまた少し上る地点から、左へけもの道をたどって入った。
私は、登山靴を脱ぎ、持参した運動靴にはきかえた。 晴天のもと、作業は約1時間半、総員5名でおこなった。
作業対象を、群落地と、丈低い半群落の場所の2箇所に決めて、それぞれに赤布を4本の樹木に付け、各約4~8m四方の内部をやってみた。
無数の芽だしをすべて抜き取り、丈のあるものは抜いてから極力根に付着した土を穴の部分に落として、土をならした。
地表には、ヒロハアマナやミノコバイモなど貴重在来種が散見されるなか、ドクダミやタチイヌノフグリなど下界の路傍にあるべき草花がびっしり隙間なくついていた。 ヒロハアマナは名のとおりおいしいのだろう。 丈が伸びるとシカが食べているようだ。 ハルザキヤマガラシは苦味がつよいのでまったく食べてくれない。 とは言え若葉は生でも食べられたし、熱さえ加えればかなりおいしい食材になるだろう。

前回4月26日に抜き取り、ビニール袋に詰め込んできた7袋を点検すると、内部の草ははやくも腐り溶けて量が半減していた。 参加者が、障害があったり高齢の女性だったため、後日他パーティーにゴミを降ろしてもらう予定で山荘の旧トイレ内に置いてきた。この件は、いなべ市教育委員会に話はつけておいた。
以下、当日得た感想を順不同で列記してみる。

〔注目点や感想〕
昨年の種子が周囲に落ちて発生したと思われる小さな芽だしが、この5月10日に無数に発生していた。 その数の夥しさをみると、花だけを摘みとる意義もそれなりに理解できる。 ふつう、群落の形成は、「花→種子生産→周囲への大量散布」の循環による結果と考えられるからだ。

これらの無数の小さい芽だしは、そのまま指で根もとをつかんでねじりぎみに引けば簡単に土も付かずに抜くことができる。すこし伸びたのはフォークの先で根のあたりを掻きながら抜くのも良い。 根の先まで完全に抜きとると同時に、根に付着する土を可能なかぎり少量にしたい。

ハルザキヤマガラシの根は土中に長く伸びており、その長い根の中途から続々と発芽している。根は、草丈の3-4倍もの長さで伸びていた。
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〔作業手順、方法〕
小さい芽だしは根から抜き、丈のたかい成長した株は花だけを摘み取る。

中央の広大な大患部はそっとしておき、山荘や登山道に近いところから、数年かけて実験的に作業するのが良いだろう。

抜き取り作業は、雪の消える4月初めから4月いっぱいまでの期間が良いようだ。草丈も低く起こす土も少量で済む。ゴミも量が少ない。 
5月に入って、ハルザキヤマガラシが成長してしまうと、根から抜くことによる土の穴も大きくなり、地表面の荒らされかたもひどくなる。地中で生きて待機していた種子がこれ幸いと出てくるかもしれない。だから5月ではもう遅いのではないか。 特に5月も中旬を過ぎると、抜けば土を大量に起こして地表を荒らしてしまう。抜かずに花だけを摘み取るべきだろう。
本体の根は残るから翌年にはまた生え出てくるが、少なくとも大量の種を生産して周辺に群落をつくることだけは防げる。花だけなら、ゴミも少量であり、女性グループでも下まで担ぎ下ろせる。

草の量が多い場合は、抜いた草を岩の上やビニールシートなどの上にいったん集めて枯らすのも一案。

害草を現地で焼却する方法を工夫したい。 会社が道路を使ってゴミを運搬する努力をしてくれると助かる。 
会社は、この害草の発生原因が会社の側にあることへの認識や理解がほとんど無いように思われる。

処理の方策が決まるまでは、基本的に、出たゴミは下まで持ち帰る。 
発生したゴミについては、当初は、袋内で草がどう変化するのか、現地での処理をどうしたらいいのか、を作業しながら模索する予定だったのだが、ゴミの一時放置(実験的でありずっと放置する心算はなかった)への強い批判を受け、方針を変更せざるを得なかった。

〔再度 感想〕
作業に係った様々な方々や中心の方々の情報と意見を、いなべ市の自然科学館か教育委員会などが主導して集約し、数年かけて実験的に作業し、藤原岳山頂部に適合する有効なハルザキヤマガラシ駆除の知見を関係者らが今後共有してゆくこと、これが最重要だ。
その場合、県や自治体の関係部署が慎重一点ばりの後ろ向きの規制をするのではなく、作業を実行して自らの意見や反省を得てきた者たちの発言に対し真摯に耳を傾ける姿勢を示して欲しいと願う。

私が最も疑問とすることは、なぜ一部山岳関係者や市・県の自然担当者たちが、私たちが呼びかける抜き取り作業に対して、反撥や規制、指導ばかりを優先するのか、ということだ。 
セメント会社が鉱山活動でカドミウム汚染を出したら、彼らは表向きには改善を会社に当然働きかけるだろう。  なのに、会社がハルザキヤマガラシ発生の元凶であることが明白であり、そのために国定公園の自然が台無しになっているというのに、なぜ彼らはその問題を会社に直接ぶつけないのだろか? ちいさなボランティアの活動を、国定公園が作業の結果、拡散汚染による害草蔓延のため破壊させられるという懸念ばかりをなぜ強調するのか? 大きい元凶の権威には沈黙し、気にいらない小さい団体の活動にばかり横槍を入れたがるのはなぜなのか? 釈然としない。

とにかく、こうした活動には、人間個人間、グループ間、部署間、地域間での違和、反撥、敬遠が信じられないほどつきまといがちである。 しかし、目標を見失ってはならない。 藤原岳の自然に脅威をもたらしている〈ハルザキヤマガラシ〉をどうするのかという共通目標一点に皆の目標をしぼって全員が協力していかなければならない。

〔今後への展望〕
山荘の北西周辺にまで害草は侵入しており、その拡がりは予想を越えるスピードだ。
驚きは山荘周辺だけではない。 孫太尾根上部にも点々と転移していると聞いた。 拡散が、数100mから1キロ以上も遠方に飛び越して現れるのは、いったいどういう種子の配布なのだろうか? 鳥や風による伝播なのか?  それにしても県下屈指の貴重植物の宝庫である孫太尾根までが帰化植物に汚染され始めているとは、問題の深刻さに絶句する。 

中央の広範な大患部には、手をつけることはやめる。 ここは、市・県なり国なりが国定公園の荒廃をどうくい止めるかの一定の方針を決め、予算と人出と期間を確保したうえで本格的に取り組むべき場所だ。
ボランティアのグループたちが対処できるのは、せいぜい前衛となる小患部や貴重な植物の集中した場所が対象となるべきだろう。

藤原岳山頂部がもしハルザキヤマガラシで全面的におおわれれば、この害草の運命もどうなるかわからない。抜き取りの作業活動そのものを非難された方の仰るとおり、蔓延した害草はいずれ絶滅し、のちに他の新しい多様な生態系が生まれるのかもしれない。ごくごくわずかな可能性で。

同じアブラナ科のセイヨウカラシナが、いなべ川や揖斐川の堤防や川原をおおうようになって久しい。全面黄色一色になる。しかし、セイヨウカラシナが自らの毒素で絶滅している例はまったく聞かない。
ただ、セイヨウカラシナのあとに、また順次、堤防の草花が現れては消え、堤防はいつも草花で多彩だ(帰化植物中心で)。 ハルザキヤマガラシも時期だけ咲いて、そのあとの期間は他のどんな草原植物が入れ替わり続けるのか? 既群落地での、夏、秋の季節の観察も必要だ。 どんな悪影響が出ているのかいないのかの調査だ。ハルザキヤマガラシは従来鉱区の周辺ですでに30年以上も大群落を誇って継続・繁栄してきた。いずれ周辺は下界の帰化植物が繁茂する多彩な外来植物園に化すだろう。藤原岳山頂部全体がおなじ〈外来種植物園〉になって良いはずがない。
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 ハルザキヤマガラシと有毒のバイケイソウ            付近図

                                       (記 藤原昧々)

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             連休まえのハルザキヤマガラシ

4月26日(日)に藤原岳山頂に登った。 晴天つづきで、気温も暖かかった。
同行9名。 半分は70歳代で、山頂への往復だけでそうとうな時間がかかった。
ハルザキヤマガラシは開花直前の蕾の状態で、連休ごろには黄色の花を咲かせだすだろう。

〔観察・反省・提言〕
日ごろから草花の生態に関心をもち、私は失格だが、草の微細な特徴や変化に目がゆく人でないと、この害草の全貌はとても把握できないであろう。 しかも何年もかけて観察をつづけないと。
ハルザキヤマガラシはいわば「悪魔」の害草だ。 駆除したと錯覚してもみごとにすりぬけて翌年にはまた変わらぬ状態で我々を嘲笑う。
小屋と登山道に近い、狭い場所を決めて、定期的にしっかりと実験し観察しながら継続しなければならない。昨年の我々の行動はゆきあたりばったりすぎて意味がなかった。 反省しきりだ。

大きな株の周囲に1cm以下の丈の無数の新芽が存在しているところがいくつかあった。昨年に種を落として新しく芽を出したものであり、その微小なものは手で抜けるので徹底的に抜きとった。

とかく大きな株のものは目につきやすくそれだけを抜き取りがちになるが、抜き取って基部の土を掘り荒らすよりも、花だけをちぎりとる方が良いかもしれない。 上部の花が無くなっても、成長するにつれ下部の葉のもとからまた新しい花が発生するので、後でふたたび次の花を摘み取る。 その株は根が残るので来年も出てはくるが、種子の大量伝播だけは防げるだろう。

ビニール袋に密閉することで、種子の生産と拡散は防げるが、そのゴミの山をどうするのか。
袋内の草はどの程度の期間でどのように変化をするのか。 現地のドラム缶で焼けるのかどうか、すべてが未知数であり経験してゆく対象である。

作業に人間が入ることで靴底に土中の種子がつき、ハルザキヤマガラシの拡散につながる心配は当然ありうるが、私はそこまで言うのならば、大量のシカ群による踏圧のほうがもっと可能性が高いと推測する。 シカはシカで同じようなルートを使って移動しているのだから、そのルートにそって害草が拡散するのは容易であり必至である。
一方、ハルザキヤマガラシが群生している近辺には、裸地そのものでありながらハルザキヤマガラシがまったく生育していない広大な場所がいくつもある。 そこはエサもなく、シカの通い道がないのかもしれない。 
作業者でない一般登山者が歩きやすくて気分のいい近辺の環境を歩き回ることはいくらでも想像できるが、この広場にハルザキヤマガラシはほとんど見られない。 人間の踏圧によりハルザキヤマガラシが著しく拡散するとは考えにくいが、作業にあたっては、十分な注意は必要だろう。

ハルザキヤマガラシの今の猛威は、セメント会社の車両のタイヤが元凶となって鉱区周辺にもたらされたものだが、その後の拡大には、ものすごいシカの群が関係している。 そのことを関係者も有識者もよく認識していながら、シカ害のほうにはとかくふれたがらない。

ハルザキヤマガラシの生態や駆除方法を実験的に把握するためには、まず適地をシカ防護柵で囲った上で、事細かく、抜いた害草と新たに出現した害草の数と状態を調べる必要があり、これはふつうの者の手にあまる高度な取組みになると思う。 できれば、新税の「環境税」を使って、地元の大学とか公共機関の専門家の指導のもとにやるのが望ましいだろう。

作業は、草が大型化しない4月中・下旬、せめて5月の連休期間までが適期ではないだろうか。
作業の労働量やゴミの量と、抜去にともなう土の荒れも大巾に軽減できるからだ。


〔作業上の注意点〕 ・・・ 前回投稿文と重複

私たちのわずかな体験と、26日当日入手できた複数の資料(下記から)を参考にして、以下のような注意事項を列挙してみた。

ただやみくもに作業をしても効果があがらないばかりか、むしろ逆効果をまねきかねない。
藤原岳山頂という他とは異なった場所での初めての暗中模索であり、適切な実験や経験と情報交換を重ねていかなければ手立ての真実はわからない。

小屋から最も手近な場所を決め、そこだけを毎年集中的にやってみる。
場所は小屋から見て展望丘への登山道より左側の丘。 小屋まえの広場から展望丘の左方の丘を見ると、前方にバイケイソウの緑の畑がはっきりと見えるが、その奥側の場所から。 
害草は南の三角点方向にかけて広くずっと蔓延しているが、まず手前で小屋への侵出をくい止めたい。 
展望丘への登山道を南へ下って少し上った地点から、在来の草を踏まないようにして丘に入り、登山道近くの繁殖地を選ぶ。
例えば、適当な木に布などで印をつけて半径10-20m範囲内などを共同作業場所に決め毎年やる。
その都度、作業をした位置と記録をとるのが望ましい。 結果を下記の「いなべ市教育委員会自然学習室」に後日ファックスなどで送る。

害草が集中している場所は、抜き取りをして地面を掘り荒らすよりも、むしろ花だけを切り取って袋に入れるほうが良いだろう。 ぽつんと単独に生えているのは根から抜き取ったほうがよい。 あとの土をならしておく。
採ったものはビニール袋(できればいなべ市指定のもの)に入れて密閉し、小屋近辺の指定場所に置く。 元気な人は下の駐車場まで持ち帰る。

在来の草花を踏みつけない。
靴底に付いた種を拡散させないために、あちらこちらへと移動しない。
靴の土などをきれいに落として帰途につく。 靴底カバー、スーパーのビニール袋などで靴を覆うか、靴を履きかえて作業をするのも一方法。

しかし、私は、限られた人数と回数の人間の踏みつけよりも、異常に殖えたシカ群の圧倒的な踏圧のほうがはるかに害草蔓延の原因をなしていると推測する。 シカ対策の遅れこそが蔓延の二次原因だ。 テントを張ったパーティーの話では夜間の間近なシカの跳梁跋扈に全員寝つけなかった程だという。 ただ人の踏み荒らしだけは極力避けるべきだ。


以下からの資料を参考にさせていただいた。
とくに藤原岳自然科学館館長安田喜正氏の報告書には学ぶことが多々あり、とても参考になった。大感謝。 

三重県農林水産部みどり共生推進課  Tel:059-224-2627  Fax:059-224-2070
いなべ市教育委員会自然学習室     Tel:0594-46-4311  Fax:0594-46-4312

                                                 藤原昧々 2015.04.28 記   





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             外来の害草を皆で抜こう!
             “花の百名山”藤原岳の危機

 藤原岳山頂部では、ここ数年来、外来植物のハルザキヤマガラシが急速に広がりつづけ、在来の貴重な植物を駆逐しながら小屋や登山道にまで迫ってきました。 問題の草は、下界の荒れた市街地や河川敷に住むアブラナ科の帰化植物で、5,6月に黄色の花を咲かせます。  
採掘をするセメント会社の車輌のタイヤに種子がくっついて上がり、山頂の鉱区周辺に昔から群落をなしていたのですが、最近、山頂部のササや潅木が減少したのをきっかけに周辺部一帯にまでいっきに拡がってしまったものです。 

 この草は、開花のときこそ、菜の花ばたけの美しさを展開しますが、開花後は枯れた醜い大群落を、ちょうどセイタカアワダチソウの後のように、しぶとくごつく冬期までさらします。 
放置すると、藤原岳在来の魅力ある希少な草花は天狗岩方面まですべて失われてこの外来植物ばかりが居座り、いなべ市民・三重県民の誇りである“花の百名山”藤原岳は豊かな自然郷から「外来種植物園」となりはててしまいます。 

 花が種をつくる前の4月から5月中旬までの間に、根から引っこぬくか花を摘み取りましょう。 持ち帰りは量がたいへんなので、今年は抜いた草をいなべ市指定のゴミ袋にでも入れて一ヶ所に集めて置きましょう。 (後々の処理は今後の課題)。
 
 地元有志の第1回作業は4月26日日曜日、第2回作業は5月10日日曜日の予定で、朝9時に大貝戸道登山口出発です。 雨具・弁当持参で参加してください。親子づれも歓迎します。 当日朝のいなべ市降水確率が60%以上のときは中止します。

 「絶滅」は困難ですが、せめて「くいとめる」のを目標に、とりあえず、皆で毎年抜く努力をつづけたいと思います。 長野県霧が峰高原では、地元の行政・観光業者・山岳会・有志たちによる長期の取組みが行われてきました。  
場所は、図のとおり、山頂小屋から展望丘への登山道の東側の大きな丘から南東部一帯です。
なお、複数の作業方法を経過実験をしている縄で囲った場所などへは入らずに、それ以外の場所で作業をお願いします。
(作業場所、手順、注意点などは後述)

 かつては全山がフクジュソウの黄金色で彩られた時期もあったと聞く藤原岳です。 
いまは山頂一面がこのアブラナ科の害草の黄色一色におおわれつつあります。 


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害草まんえんの山頂(6月)                位置図(ダブルクリックで拡大)


 地元の生徒や先生方には、郷土の山のこの深刻な事態をぜひ知っていただきたい。
東海・中京地区の各山岳サークルさんには、鈴鹿の清掃登山行事のなかにこの作業を今後取りこんでいただければありがたい。 
また、原因企業の太平洋セメント株式会社さんには、鉱区自動車道路を使った自社でのゴミ運搬協力や人員の派遣といった社会的貢献をなにかと果たしていただきたいものです。 

ハルザキヤマガラシ: 別名セイヨウヤマガラシ。 ヨーロッパ原産。根生葉は羽状に深裂。上部茎葉は濃緑色で光沢があり、柄はなく葉の基部は耳形で茎を抱く。 直立した茎の先端に鮮黄色の4弁花をつける。 なお、在来種である「ヤマガラシ」は中部以北の高山帯に成育し藤原岳には生息しないので、アブラナに似た草はすべてハルザキヤマガラシであり抜いてください。
両者の見分けのポイントは、花柱が子房と同長なのが帰化植物、子房よりはるかに短いのが在来種です。 角果の長さもちがい、帰化種は4cm以下、在来種は4cm以上と長い、となっています。


作業上の注意点
私たちのわずかな体験と、最近入手できた複数の資料(下記から)を参考にして、以下のような注意事項を列挙してみた。

ただやみくもに作業をしても効果があがらないばかりか、むしろ逆効果をまねきかねない。
藤原岳山頂という他とは異なった場所での初めての暗中模索であり、適切な実験や経験と情報交換を重ねていかなければ手立ての真実はわからない。

小屋から最も手近な場所を決め、そこだけを毎年集中的にやってみる。
場所は小屋から見て展望丘への登山道より左側の丘。 小屋まえの広場から展望丘の左方の丘を見ると、前方にバイケイソウの緑の畑がはっきりと見えるが、その奥側の場所から。 
害草は南の三角点方向にかけて広くずっと蔓延しているが、まず手前で小屋への侵出をくい止めたい。 
展望丘への登山道を南へ下って少し上った地点から、在来の草を踏まないようにして丘に入り、登山道近くの繁殖地を選ぶ。
例えば、適当な木に布などで印をつけて半径20m範囲内などを共同作業場所に決め毎年やる。
その都度、作業をした記録をとるのが望ましい。 結果を下記の「いなべ市教育委員会自然学習室」に後日ファックスなどで送る。

害草が集中している場所は、抜き取りをして地面を掘り荒らすよりも、むしろ花だけを切り取って袋に入れるほうが良いだろう。 ぽつんと単独に生えているのは根から抜き取ったほうがよい。 あとの土をならしておく。
採ったものはビニール袋(できればいなべ市指定のもの)に入れて密閉し、小屋近辺の指定場所に置く。 元気な人は下の駐車場まで持ち帰る。

在来の草花を踏みつけない。
靴底に付いた種を拡散させないために、あちらこちらへと移動しない。
靴の土などをきれいに落として帰途につく。 靴を履き替えたり、靴底カバーやスーパーのビニール袋などで靴を覆って作業をするのも一方法。

しかし、私は、限られた数と回数の人間の踏みつけよりも、異常に殖えたシカ群の圧倒的な踏圧のほうがはるかに害草蔓延の原因だと推測する。 シカ対策の遅れこそが蔓延の二次原因だ。 テントを張ったパーティーの話では夜間の間近なシカの跳梁跋扈に全員寝つけなかった程だという。 ただ人の踏み荒らしだけは極力避けるべき。


以下からの資料を参考にさせていただいた。
とくに藤原岳自然科学館館長安田喜正氏の報告書には学ぶことが多々あり、とても参考になった。 大感謝。

三重県農林水産部みどり共生推進課  Tel:059-224-2627  Fax:059-224-2070
いなべ市教育委員会自然学習室     Tel:0594-46-4311  Fax:0594-46-4312

  
詳細は“藤原岳の自然を守る会”ブログの記事「ハルザキヤマガラシ駆除」5本などをご覧ください。










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 《 謹 賀 新 年》                       2015.01.01

 外来の害草を抜こう!  “花の百名山”藤原岳の危機

藤原岳山頂部では、近年、外来植物ハルザキヤマガラシが蔓延して、在来の植物を駆逐し登山道まで迫る勢いです。 問題の草はアブラナ科の帰化植物で、5,6月に黄色の花を咲かせます。 いわば、土地のオーナー(セメント会社)が下界から車輌のタイヤで運んで拡がってしまった黄菜(オーナ)の侵害です。
花が種をつくる前の4月から5月中旬までに、根から引っこぬきましょう。 持ち帰りは量がたいへんなので、今は抜いたものを土の上以外の一箇所にでも別けて集めて、枯れて朽ちてゆくのを待つほかありません。 後々の処理は今後の課題となりましょう。

「絶滅」は困難ですが、せめて「くいとめる」ように、みなで努力をつづけたいです。 議論や理屈は専門家さんにまかせて、私たちはとりあえず抜いてゆきましょう。 希望・絶望はやっての後に・・・。 
登山者の皆さんのささやかな実行と努力が、いずれは行政や企業を動かしてゆくかと思います(例:霧が峰高原での関係者たちの長期の取組み)。

場所は、山頂小屋から展望丘への登山道の左側の大きな丘から南東一帯です。 周辺にはすでに抜いて枯れ朽ちた草を放置した堆積があちこちに見られます。

かつて全山がフクジュソウの黄金色で彩られた時期もあったと聞く藤原岳ですが、いまは山頂一面がこのアブラナ科の害草の黄色一色におおわれそうです。 夏から晩秋にかけてのこの草の枯れはてた様子は、セイタカアワダチソウの花の痕に似た醜悪さで、まさに「花の百名山」の名を汚す惨たるものです。 

サークルや登山団体さんのボランティア活動がおおいに期待されます。 
そして、抜いたあとの処理をどうするかが問題。 
山荘の横にいったん集めて乾燥させ風のない日に焼くとか、元気なパーティーなら担いで下におろしそれを市が回収するとか...。   やりながら皆で考えるしかありません。


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黄菜まんえんの山頂(6月)                  位置図

              

詳細は当会ブログの関係記事(「ハルザキヤマガラシ駆除」5本)をごらんください。

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ハルザキヤマガラシ駆除に関する質疑応答
平成26年 第2回定例会(第3日 6月10日)

清水議員
三つ目は、ハルザキヤマガラシの駆除について、その計画があるかどうかをお尋ねいたします。
25年度の市長要望として県に提出され、また、鈴鹿生態系維持回復協議会に担当者3名が出席をしております。しかしその結果、具体的に実施された経緯はありませんが、ただ岡次長と安田館長が現場で引っこ抜いた実績があるだけでございます。
①その具体的な実施計画に至らなかった理由と、責任をどう考えておるのか。
②は、いなべ市教育委員会が先頭に立って協力者を募って実施すべきと考えますが、どうですか。
以上の二点についてお答えをいただきたい。

片山教育長
①のハルザキヤマガラシの駆除について、具体的な実施計画には至らなかったその理由と責任をどう捉えるのかという御質問にお答えいたします。
その前に、清水議員よりハルザキヤマガラシに関する長野県環境保全研究所と東北農業研究センター等の研究機関の文献、それから資料を御提供いただきました。厚く御礼を申し上げます。
さて、答弁に入らせていただきますが、議員御指摘の具体的な実施計画に至らなかった理由につきましては、昨年12月議会におきまして、藤原鉱山で国定公園の内外を問わず、ハルザキヤマガラシの大群落の除草をとの御質問に、ハルザキヤマガラシが現時点で環境省において、外来生物法におけるいわゆる要注意外来生物であることから、特定外来生物のように法に基づく規制対象になっていないことや、被害に関する科学的な知見が不足していることから、引き続き、情報の集積に努める外来生物に区分されていることをお答えいたしました。
そのこともありまして、先ほど申し上げました、清水議員よりハルザキヤマガラシに関する研究機関の文献や資料をいただいたものと私のほうでは理解いたしております。
それから三重県に対しましては、昨年8月12日付の市長要望で、藤原山頂付近のハルザキヤマガラシの生息調査及び駆除対策を講じるよう要望提出いたしましたところ、三重県からは、昨年11月14日に、現時点での分布状況について現況を把握した上でその影響を判断して、必要な対策を検討していくとの回答があったこともお答えいたしたところでございます。
このように、国や県においてもハルザキヤマガラシの駆除という段階にはまだ至っておらないという状況でございます。
次に、鈴鹿生態系維持回復協議会、私どもも3名出ておるわけですが、滋賀県と滋賀県の関係市町、それから三重県及び京都大学や滋賀県立大学の学識経験者を中心に発足いたしまして、本年2月5日開催の第2回協議会から参加させていただいております。
この協議会で協議は進められておりますので、今後、ハルザキヤマガラシの生育調査等の事業がこのところで協議された場合に、その推進に向けて、事務局である三重県と協議を行ってまいりたいと考えております。
②でございますが、いなべ市教育委員会が先頭に立って協力者を募って実施すべきと考えるが、どうかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、ハルザキヤマガラシにつきましては、生育区域や生態、さらには生態系への影響や有効な駆除の方法が判明しておらない状況でございますので、協力者を募って駆除を実施する段階には至っていないと考えております。
また、いなべ市教育委員会には外来植物の専門家がいない中、教育委員会が主体で駆除を実施するのは難しいと考えているところでございます。
以上でございます。

清水議員
教育長の答弁は、うまくハルザキヤマガラシを駆除せんということをみんなに報告してくれただけです。
例えば、藤原岳自然科学館の観察会が5月に行われ、その中の有志がハルザキヤマガラシを駆除しました。
それともう一つ、三重県山岳清掃の3団体が5月うちに20人ほど来ていただき、できるだけ国定公園の中のハルザキヤマガラシを抜き取って、幸いにも職員の中にも善良な協力者がおって、農林商工部の課長が全てそれをあじさいクリーンセンターで処分をしてくれました。そういうすばらしい課長もおるということをここでみんなに報告させていただきたいと思います。
なお、我々はあくまでも外来種であり、いろんな研究報告を読んでおると、何ともならんハルザキヤマガラシやというふうに私は考えて、たとえ1人の市民でも、1人の国民でも、1人の外国人でも協力してくれる人があれば、お互いに手をつないで、せめてこれ、5年か6年はかかると思います、藤原の山からハルザキヤマガラシをなくしてしまうには。それだけみんなに協力を仰ぎながら頑張りたいと思いますので、たった一人しかおらないいなべの教育長ですけども、少し頭を切りかえて、前向きに取り組んでいただくと、本当に教育長以外に、市民も国民も世界の人も喜ぶ日があるということをここでお願いをして、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。








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藤原岳山頂で外来種猛威
2014.06.22 中日新聞 朝刊

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藤原岳山頂で外来種猛威
いなべ市の藤原岳(1140m)の山頂付近で、外来種のハルザキヤマガラシが増え続けている。近年、全国の山々で猛威を振るっているが、有効な解決策は見つかっていないという。 被害軽減に向けて動き始めた藤原岳自然科学館(いなべ市藤原町市場)の安田喜正館長(64)に現状や課題を尋ねた。(佐野周平)

― ハルザキヤマガラシはどんな植物か。
 欧州原産のアブラナ科で、日当たりの良い場所に生え、春から初夏にかけて黄色い花を咲かせる。 咲き終わる頃に落ちた種が秋に発芽し、翌春に咲く。花が咲くまでの間、枯れ草などの残骸が残り、登山者からは「見るに堪えない」「みすぼらしい風景」などと言われている。

― どのような経緯で藤原岳に自生するようになったのか。
 山頂東側にある太平洋セメントの鉱区が始まりだった。 種は風で簡単に飛来するようなことはないので、車両のタイヤか作業員の靴に付いた種が落ち、咲き始めたのではないか。

― 山頂周辺の現状は。
 五年ほど前から「ハルザキヤマガラシが鉱区で増殖している」とうわさで聞いていたが、当時はそれほど問題視していなかった。三年前に現地に足を運ぶと、鉱区から五百㍍ほど離れた山小屋周辺にも広がっており、事態の深刻さを認識した。現在では少なくとも三㌶ほどの群生地が鉱区に広がり、山小屋周辺や登山道でも見られる。群生地の周辺には希少種の植物も多く、在来種への悪影響が心配される。

― なぜ、ここまで広がったのか。
 藤原岳は昔からシカの食害に悩まされ、荒れた場所がたくさんある。ハルザキヤマガラシは草木がない場所に生えるため、増殖しやすい環境だったといえる。

― どのような対処法が考えられるのか。 
 霧が峰高原(長野県)など他県でもハルザキヤマガラシに悩まされていると聞くが、根絶に成功した山はないようだ。三年前から山小屋周辺で見つけるたびに抜いているが、なかなか根絶には至っていない。現状では根絶は難しく、被害を広げないように様子を見守るしかないのではないか。本年度から三重県と本格的に協議を始め、六月中旬には県職員とともに初の現地調査をしたところだ。

― 登山者に呼び掛けることは。
 群生地に足を踏み入れて抜こうとすると、靴底に種が付き、拡散につながる恐れもある。善意で抜いてもらうのはありがたいが、その際には注意深く抜いてほしい。

                          (中日新聞 2014.06.22 日  “ 聞く” 欄)


本ブログ ハルザキヤマガラシ関連記事(5本)
2013年6月 「黄禍 藤原岳山頂もあぶない!」
2014年5月 「ハルザキヤマガラシと長野日報」
2014年5月 「平成25年度第2回鈴鹿生態系維持回復協議会 議事要旨」
2014年5月 「山頂のハルザキヤマガラシを抜きとろう!」
2014年6月 「いなべ市市議会本会議 関係答弁」






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