カテゴリ:新聞 関係記事( 5 )

焼却灰、売り手市場       原発事故、東日本分の流通滞る

                        2012.03.24  朝日新聞 朝刊 三重版

四日市で初入札
工事用セメントに混ぜられるなどして資源化される、ごみの焼却灰。 福島第一原発の事故後、放射性物質に汚染された灰が敬遠される中、四日市市で灰を求めるセメント業者が相次ぎ、市が初めて指名競争入札を実施した。 原発事故で「売り手市場」となり、2012年度の市の処理費は11年度と比べて約8千万円減ることになった。

処理費8千万円削減
市内では北部清掃工場で家庭ごみが焼かれ、年間9千トンの焼却灰が発生する。 これまでは資源化設備を持つ業者が少なく、引き受け手がなかったため、市は08~11年度に太平洋セメント(大分県津久見市の処分地)、宇部興産(福岡県苅田町の処分地)、三重中央開発(伊賀市の処分地)と随意契約を結び、灰を引き取ってもらっていた。 11年度の処理費は計3億700万円だった。
ところが今年に入り、セメント業者の営業活動が活発化。 市は今月5日、12年度の処理について、三菱マテリアル(北九州市)、住友大阪セメント(兵庫県赤穂市)、中部リサイクル(名古屋市)の3社を加えた計6社による指名競争入札を実施した。
処理費は、予定価格でも約5千万円減る見込みだったが、三重中央開発が1トン当たり2万3950円で落札、8067万円減ることになった。
市によると、セメント業界では東日本大震災の前、維持費の高い灰溶融から自治体が相次いで撤退していることなどから、灰の処理委託が増えると見込み、受け入れ態勢を整備した。 原発事故後、放射性物質拡散への懸念から東日本の焼却灰の流通が滞る一方、ほかの地域では「売り手市場」(生活環境課)になっているという。
入札参加業者の中には「灰は最終的にはセメント製品になる。 放射性物質に汚染された関東以北のものを受け入れづらい実情はある」と話す担当者もいる。
市の担当者は「処理費は安くなったが、震災の影響でもあり、複雑な気持ち。 この傾向が続くのかもわからない」と話している。        (嶋田圭一郎)
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by mamorefujiwaraMT | 2012-03-24 12:40 | 新聞 関係記事
震災がれき 三重県受け入れ調整
セメント製品化 いなべの工場で

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理で、三重県は受け入れに向けて、同県いなべ市藤原町の太平洋セメント工場で処理する方向で、同社といなべ市などと調整に入った。 三者が合意すれば、県はいなべ市と協力して地元住民に説明し理解を求める。

 セメント大手の太平洋セメント(本社東京)は大船渡工場(岩手県大船渡市)のプラントで同市と近隣の同県陸前高田市のがれきを昨年六月から処理。 昨年末からは焼却時に出る灰を石灰石などと混合・焼成してセメントを生産し、放射線測定で安全性を確認した上で出荷している。 三年間で八十万トンを処理する。
 関係者によると、同社の処理実績に注目した三重県が、主力工場の藤原工場でも受け入れが可能と判断し、調整に乗り出した。
 搬入するがれきの量や種類は未定だが大船渡工場と同様、セメントとして製品化するとみられる。
 藤原工場は、セメント製品などの輸送路として三岐鉄道三岐線(近鉄富田ー西藤原)が直接乗り入れる。 被災地のがれきの搬送方法として、県は全行程を鉄道による陸路か、海路で四日市港(三重県四日市市)まで運び、陸揚げ後に鉄道で搬入するルートを想定している。
 本紙の取材に、日沖靖いなべ市長は「県が正式に表明すれば地元住民に説明する。 理解が得られれば被災地のために受け入れたい」と前向きな姿勢を示した。 太平洋セメントの広報担当者は「正式な要請は受けていないのでコメントできない。 技術的に処理は可能だが、住民の理解を得ることが必要だ」と答えた。
 がれきの受け入れをめぐっては、愛知県が中部電力碧南火力発電所(愛知県碧南市)の敷地内に自前の焼却炉と最終処分場を建設する方向で、中電側と調整中。 焼却施設を持つ県内の市町村にも協力を呼び掛けている。
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by mamorefujiwaraMT | 2012-03-21 16:22 | 新聞 関係記事
辺野古保全は「不可能」 アセス、知事意見提出

 仲井真弘多知事は20日午後、防衛省・沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け県に提出した環境影響評価(アセスメント)の評価書に対する意見書を、県環境影響評価条例に基づき沖縄防衛局に提出した。
意見書は、辺野古に新たな基地を造る現在の計画に対し「環境の保全上、重大な問題がある」と厳しく指摘。同省が示す保全措置では「事業実施区域周辺域の生活環境および自然環境の保全を図ることは不可能」と結論付けた。前文の冒頭、普天間飛行場の県外移設と早期返還を政府に再三求めている県の立場も明記した。
 辺野古移設について「地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上、不可能であり、日本国内の他の地域への移設が、合理的かつ早期に課題を解決できる」との県の立場を強調した。
 意見書は、米軍が沖縄に夏以降に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイや絶滅危惧種ジュゴンなど、25分野で175件の問題点を挙げた。 評価書で、代替基地での運用機種にオスプレイを追記。別の機種も含め飛行経路の変更があり、周辺住宅地への騒音影響も軒並み変わった。意見書は「手続きの最終段階に至って重要な環境情報が提示・変更されたことが、環境影響評価制度における前例となることに大きな懸念を抱いている」と強い不満を示した。 県の下地寛環境生活部長は記者会見で「科学的根拠に基づくデータで予測しないと、(政府から)環境保全上、問題がないと言われても理解し難い」と述べ、環境保全は不可能とした理由を説明した。
 県は環境影響評価法に係る埋め立て事業対象の知事意見は3月27日までに防衛局に提出する。
 政府は知事意見を踏まえて評価書を補正できるが、大幅な補正に応じれば移設計画に大きな影響が出る。補正の後、公告・縦覧にかければアセス手続きは完了する。
 辺野古沿岸部の埋め立てに向け、政府による公有水面埋め立て承認申請が6月にも県に提出される可能性が指摘されていた。 だが、玄葉光一郎外相は今年秋以降に先送りされるとの認識を示している。



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by mamorefujiwaraMT | 2012-02-21 16:35 | 新聞 関係記事
辺野古移設:「環境保全は不可能」 沖縄県審査会が答申

 沖縄県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖縄国際大教授)は8日、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた防衛省の環境影響評価(アセスメント)について「環境保全上重大な問題があり、生活環境や自然環境の保全は不可能」とする答申をまとめ、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事あてに提出した。 防衛省は評価書で「環境保全上、特段の支障は生じない」と結論づけたが、真っ向から対立する答申となった。
 アセスは県条例と環境影響評価法に基づいており、知事は県条例に基づく意見を20日までに国に提出するが、知事は県外移設を求める考えを変えておらず、答申を反映して厳しい内容になる見込み。
 前段階の準備書提出後に配備が正式発表され、評価書に初めて盛り込まれた垂直離着陸機MV22オスプレイについて答申書は「関係市村長や住民意見が聴取されておらず、手続き上適切とは言い難い」と批判。騒音についても調査を不十分とし「予測結果は更に高い値になると考える」と生活環境への影響も指摘した。ジュゴンなど生態系への影響を「湾の一部が埋め立てられ予想を超えた影響が懸念される」と記した。
 提出後、記者会見した宮城会長は「委員の意見は(事業の)中止なり変更が望ましい、ということだ」と述べた。    【吉永康朗】

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by mamorefujiwaraMT | 2012-02-08 23:14 | 新聞 関係記事
          中日新聞 2012.02.06 朝刊 三重版
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希少種保護どう実現                    ニュース追跡
いなべ・藤原岳の鉱山開発計画

鈴鹿山系北部に位置するいなべ市の藤原岳の山頂付近で、大手セメント会社が新たな鉱山開発を計画している。 セメント原料の石灰石が戦前から採掘される藤原岳周辺は動植物が豊かで、天然記念物イヌワシの県内唯一の生息地。 県の環境アセスメントで現在最終手続きに入る会社側は、計画の修正や希少種の保全措置を打ち出しているが、実効性には課題が残る。 (加藤弘二)

 この鉱山開発は、太平洋セメント(東京)の藤原工場が計画。 山肌が大きく削り取られた山頂鉱区沿いの59ヘクタールが対象となる。 50年分の採掘量が見込まれ、今年中に地下坑道の工事に入り、2016年度からの採掘を目指す。
 当初の開発案には別の鉱区も含まれていたが、近くでイヌワシの営巣地やひなを確認。 巣から離れた山頂鉱区のみの開発へと縮小させている。  巣の保護を訴えてきた日本野鳥の会三重代表の平井正志さん(65)は、計画修正を評価しながらも「順調な繁殖を続けるつがいに影響を及ぼす恐れは依然ある」と指摘する。  平井さんが問題視するのは、イヌワシの餌狩り場。 イヌワシは高い木がない開けた地で、餌の小動物を捕まえる習性があり、採掘予定地でもたびたび捕獲していることが判明している。
会社側は、山頂鉱区近くの山林を帯状に間伐し、代替の餌狩り場を造る予定だ。 イヌワシ保護を目的とした間伐は、東北地方の北上山地で十年ほど前から普及。 しかし岩手県環境保健センターによると、間伐地では小動物が増えたものの、イヌワシの捕食が確認されたのは二例にとどまる。  センターの前田琢主任専門研究員は「生態系へのメリットは確かにあるが、実際に餌狩り場として機能するかはケース・バイ・ケース」と話す。
 藤原岳一帯には、カタツムリの地域固有種で、三重県希少野生動植物種のカナマルマイマイも生息。 環境アセスメントの手続きの中で会社側は、予定地のカナマルマイマイを藤原岳の別の場所へ移す案を示したが、県環境影響評価委員会では「カナマルマイマイは移植例や生息情報がほとんどない」と、効果や影響を測りかねる意見が相次いだ。
 こうした議論を踏まえ、先月25日に公表された知事意見も「イヌワシやカナマルマイマイ及び、希少な動植物の環境保全措置は、その効果が不明確」と指摘し、さらなる検証を求めている。
会社側は知事や住民の意見を踏まえ、着工前の最後のアセス手続きとなる環境影響評価書を作成中。 その中で、イヌワシ用の代替の餌狩り場を採掘開始前に造り、先行検証の実施を盛り込む方針だ。
太平洋セメントの担当者は「効果面で試行錯誤が続く措置もあるが、取りうる選択肢を最大限取入れていく。 今後も専門家との協議も重ね、モニタリングを続けていきたい」と話している。

《視線》
 昨秋、藤原岳周辺の山に初めて登った。 なだらかな台地に低木や草地が広がる山頂付近。 イヌワシの生態を知るにつれ、生息に適した地だと実感する。
 一方、この地の採掘には80年の歴史がある。 地場産業の担い手として、自然との共存を試みようとの社の姿勢が取材を通じて垣間見えた。
 環境問題の議論で難しいのは、影響を測る指標が多岐にわたることだ。 しかも生態系の変化は微妙で、影響の行方も複雑。 一過性の議論に終わらず、調査と検証の反復を期待したい。

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by mamorefujiwaraMT | 2012-02-06 19:44 | 新聞 関係記事