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             外来の害草を皆で抜こう!
             “花の百名山”藤原岳の危機

 藤原岳山頂部では、ここ数年来、外来植物のハルザキヤマガラシが急速に広がりつづけ、在来の貴重な植物を駆逐しながら小屋や登山道にまで迫ってきました。 問題の草は、下界の荒れた市街地や河川敷に住むアブラナ科の帰化植物で、5,6月に黄色の花を咲かせます。  
採掘をするセメント会社の車輌のタイヤに種子がくっついて上がり、山頂の鉱区周辺に昔から群落をなしていたのですが、最近、山頂部のササや潅木が減少したのをきっかけに周辺部一帯にまでいっきに拡がってしまったものです。 

 この草は、開花のときこそ、菜の花ばたけの美しさを展開しますが、開花後は枯れた醜い大群落を、ちょうどセイタカアワダチソウの後のように、しぶとくごつく冬期までさらします。 
放置すると、藤原岳在来の魅力ある希少な草花は天狗岩方面まですべて失われてこの外来植物ばかりが居座り、いなべ市民・三重県民の誇りである“花の百名山”藤原岳は豊かな自然郷から「外来種植物園」となりはててしまいます。 

 花が種をつくる前の4月から5月中旬までの間に、根から引っこぬくか花を摘み取りましょう。 持ち帰りは量がたいへんなので、今年は抜いた草をいなべ市指定のゴミ袋にでも入れて一ヶ所に集めて置きましょう。 (後々の処理は今後の課題)。
 
 地元有志の第1回作業は4月26日日曜日、第2回作業は5月10日日曜日の予定で、朝9時に大貝戸道登山口出発です。 雨具・弁当持参で参加してください。親子づれも歓迎します。 当日朝のいなべ市降水確率が60%以上のときは中止します。

 「絶滅」は困難ですが、せめて「くいとめる」のを目標に、とりあえず、皆で毎年抜く努力をつづけたいと思います。 長野県霧が峰高原では、地元の行政・観光業者・山岳会・有志たちによる長期の取組みが行われてきました。  
場所は、図のとおり、山頂小屋から展望丘への登山道の東側の大きな丘から南東部一帯です。
なお、複数の作業方法を経過実験をしている縄で囲った場所などへは入らずに、それ以外の場所で作業をお願いします。
(作業場所、手順、注意点などは後述)

 かつては全山がフクジュソウの黄金色で彩られた時期もあったと聞く藤原岳です。 
いまは山頂一面がこのアブラナ科の害草の黄色一色におおわれつつあります。 


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害草まんえんの山頂(6月)                位置図(ダブルクリックで拡大)


 地元の生徒や先生方には、郷土の山のこの深刻な事態をぜひ知っていただきたい。
東海・中京地区の各山岳サークルさんには、鈴鹿の清掃登山行事のなかにこの作業を今後取りこんでいただければありがたい。 
また、原因企業の太平洋セメント株式会社さんには、鉱区自動車道路を使った自社でのゴミ運搬協力や人員の派遣といった社会的貢献をなにかと果たしていただきたいものです。 

ハルザキヤマガラシ: 別名セイヨウヤマガラシ。 ヨーロッパ原産。根生葉は羽状に深裂。上部茎葉は濃緑色で光沢があり、柄はなく葉の基部は耳形で茎を抱く。 直立した茎の先端に鮮黄色の4弁花をつける。 なお、在来種である「ヤマガラシ」は中部以北の高山帯に成育し藤原岳には生息しないので、アブラナに似た草はすべてハルザキヤマガラシであり抜いてください。
両者の見分けのポイントは、花柱が子房と同長なのが帰化植物、子房よりはるかに短いのが在来種です。 角果の長さもちがい、帰化種は4cm以下、在来種は4cm以上と長い、となっています。


作業上の注意点
私たちのわずかな体験と、最近入手できた複数の資料(下記から)を参考にして、以下のような注意事項を列挙してみた。

ただやみくもに作業をしても効果があがらないばかりか、むしろ逆効果をまねきかねない。
藤原岳山頂という他とは異なった場所での初めての暗中模索であり、適切な実験や経験と情報交換を重ねていかなければ手立ての真実はわからない。

小屋から最も手近な場所を決め、そこだけを毎年集中的にやってみる。
場所は小屋から見て展望丘への登山道より左側の丘。 小屋まえの広場から展望丘の左方の丘を見ると、前方にバイケイソウの緑の畑がはっきりと見えるが、その奥側の場所から。 
害草は南の三角点方向にかけて広くずっと蔓延しているが、まず手前で小屋への侵出をくい止めたい。 
展望丘への登山道を南へ下って少し上った地点から、在来の草を踏まないようにして丘に入り、登山道近くの繁殖地を選ぶ。
例えば、適当な木に布などで印をつけて半径20m範囲内などを共同作業場所に決め毎年やる。
その都度、作業をした記録をとるのが望ましい。 結果を下記の「いなべ市教育委員会自然学習室」に後日ファックスなどで送る。

害草が集中している場所は、抜き取りをして地面を掘り荒らすよりも、むしろ花だけを切り取って袋に入れるほうが良いだろう。 ぽつんと単独に生えているのは根から抜き取ったほうがよい。 あとの土をならしておく。
採ったものはビニール袋(できればいなべ市指定のもの)に入れて密閉し、小屋近辺の指定場所に置く。 元気な人は下の駐車場まで持ち帰る。

在来の草花を踏みつけない。
靴底に付いた種を拡散させないために、あちらこちらへと移動しない。
靴の土などをきれいに落として帰途につく。 靴を履き替えたり、靴底カバーやスーパーのビニール袋などで靴を覆って作業をするのも一方法。

しかし、私は、限られた数と回数の人間の踏みつけよりも、異常に殖えたシカ群の圧倒的な踏圧のほうがはるかに害草蔓延の原因だと推測する。 シカ対策の遅れこそが蔓延の二次原因だ。 テントを張ったパーティーの話では夜間の間近なシカの跳梁跋扈に全員寝つけなかった程だという。 ただ人の踏み荒らしだけは極力避けるべき。


以下からの資料を参考にさせていただいた。
とくに藤原岳自然科学館館長安田喜正氏の報告書には学ぶことが多々あり、とても参考になった。 大感謝。

三重県農林水産部みどり共生推進課  Tel:059-224-2627  Fax:059-224-2070
いなべ市教育委員会自然学習室     Tel:0594-46-4311  Fax:0594-46-4312

  
詳細は“藤原岳の自然を守る会”ブログの記事「ハルザキヤマガラシ駆除」5本などをご覧ください。










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