<   2015年 04月 ( 1 )   > この月の画像一覧

             連休まえのハルザキヤマガラシ

4月26日(日)に藤原岳山頂に登った。 晴天つづきで、気温も暖かかった。
同行9名。 半分は70歳代で、山頂への往復だけでそうとうな時間がかかった。
ハルザキヤマガラシは開花直前の蕾の状態で、連休ごろには黄色の花を咲かせだすだろう。

〔観察・反省・提言〕
日ごろから草花の生態に関心をもち、私は失格だが、草の微細な特徴や変化に目がゆく人でないと、この害草の全貌はとても把握できないであろう。 しかも何年もかけて観察をつづけないと。
ハルザキヤマガラシはいわば「悪魔」の害草だ。 駆除したと錯覚してもみごとにすりぬけて翌年にはまた変わらぬ状態で我々を嘲笑う。
小屋と登山道に近い、狭い場所を決めて、定期的にしっかりと実験し観察しながら継続しなければならない。昨年の我々の行動はゆきあたりばったりすぎて意味がなかった。 反省しきりだ。

大きな株の周囲に1cm以下の丈の無数の新芽が存在しているところがいくつかあった。昨年に種を落として新しく芽を出したものであり、その微小なものは手で抜けるので徹底的に抜きとった。

とかく大きな株のものは目につきやすくそれだけを抜き取りがちになるが、抜き取って基部の土を掘り荒らすよりも、花だけをちぎりとる方が良いかもしれない。 上部の花が無くなっても、成長するにつれ下部の葉のもとからまた新しい花が発生するので、後でふたたび次の花を摘み取る。 その株は根が残るので来年も出てはくるが、種子の大量伝播だけは防げるだろう。

ビニール袋に密閉することで、種子の生産と拡散は防げるが、そのゴミの山をどうするのか。
袋内の草はどの程度の期間でどのように変化をするのか。 現地のドラム缶で焼けるのかどうか、すべてが未知数であり経験してゆく対象である。

作業に人間が入ることで靴底に土中の種子がつき、ハルザキヤマガラシの拡散につながる心配は当然ありうるが、私はそこまで言うのならば、大量のシカ群による踏圧のほうがもっと可能性が高いと推測する。 シカはシカで同じようなルートを使って移動しているのだから、そのルートにそって害草が拡散するのは容易であり必至である。
一方、ハルザキヤマガラシが群生している近辺には、裸地そのものでありながらハルザキヤマガラシがまったく生育していない広大な場所がいくつもある。 そこはエサもなく、シカの通い道がないのかもしれない。 
作業者でない一般登山者が歩きやすくて気分のいい近辺の環境を歩き回ることはいくらでも想像できるが、この広場にハルザキヤマガラシはほとんど見られない。 人間の踏圧によりハルザキヤマガラシが著しく拡散するとは考えにくいが、作業にあたっては、十分な注意は必要だろう。

ハルザキヤマガラシの今の猛威は、セメント会社の車両のタイヤが元凶となって鉱区周辺にもたらされたものだが、その後の拡大には、ものすごいシカの群が関係している。 そのことを関係者も有識者もよく認識していながら、シカ害のほうにはとかくふれたがらない。

ハルザキヤマガラシの生態や駆除方法を実験的に把握するためには、まず適地をシカ防護柵で囲った上で、事細かく、抜いた害草と新たに出現した害草の数と状態を調べる必要があり、これはふつうの者の手にあまる高度な取組みになると思う。 できれば、新税の「環境税」を使って、地元の大学とか公共機関の専門家の指導のもとにやるのが望ましいだろう。

作業は、草が大型化しない4月中・下旬、せめて5月の連休期間までが適期ではないだろうか。
作業の労働量やゴミの量と、抜去にともなう土の荒れも大巾に軽減できるからだ。


〔作業上の注意点〕 ・・・ 前回投稿文と重複

私たちのわずかな体験と、26日当日入手できた複数の資料(下記から)を参考にして、以下のような注意事項を列挙してみた。

ただやみくもに作業をしても効果があがらないばかりか、むしろ逆効果をまねきかねない。
藤原岳山頂という他とは異なった場所での初めての暗中模索であり、適切な実験や経験と情報交換を重ねていかなければ手立ての真実はわからない。

小屋から最も手近な場所を決め、そこだけを毎年集中的にやってみる。
場所は小屋から見て展望丘への登山道より左側の丘。 小屋まえの広場から展望丘の左方の丘を見ると、前方にバイケイソウの緑の畑がはっきりと見えるが、その奥側の場所から。 
害草は南の三角点方向にかけて広くずっと蔓延しているが、まず手前で小屋への侵出をくい止めたい。 
展望丘への登山道を南へ下って少し上った地点から、在来の草を踏まないようにして丘に入り、登山道近くの繁殖地を選ぶ。
例えば、適当な木に布などで印をつけて半径10-20m範囲内などを共同作業場所に決め毎年やる。
その都度、作業をした位置と記録をとるのが望ましい。 結果を下記の「いなべ市教育委員会自然学習室」に後日ファックスなどで送る。

害草が集中している場所は、抜き取りをして地面を掘り荒らすよりも、むしろ花だけを切り取って袋に入れるほうが良いだろう。 ぽつんと単独に生えているのは根から抜き取ったほうがよい。 あとの土をならしておく。
採ったものはビニール袋(できればいなべ市指定のもの)に入れて密閉し、小屋近辺の指定場所に置く。 元気な人は下の駐車場まで持ち帰る。

在来の草花を踏みつけない。
靴底に付いた種を拡散させないために、あちらこちらへと移動しない。
靴の土などをきれいに落として帰途につく。 靴底カバー、スーパーのビニール袋などで靴を覆うか、靴を履きかえて作業をするのも一方法。

しかし、私は、限られた人数と回数の人間の踏みつけよりも、異常に殖えたシカ群の圧倒的な踏圧のほうがはるかに害草蔓延の原因をなしていると推測する。 シカ対策の遅れこそが蔓延の二次原因だ。 テントを張ったパーティーの話では夜間の間近なシカの跳梁跋扈に全員寝つけなかった程だという。 ただ人の踏み荒らしだけは極力避けるべきだ。


以下からの資料を参考にさせていただいた。
とくに藤原岳自然科学館館長安田喜正氏の報告書には学ぶことが多々あり、とても参考になった。大感謝。 

三重県農林水産部みどり共生推進課  Tel:059-224-2627  Fax:059-224-2070
いなべ市教育委員会自然学習室     Tel:0594-46-4311  Fax:0594-46-4312

                                                 藤原昧々 2015.04.28 記   





[PR]