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ハルザキヤマガラシ情報ー4
今春2016年のハルザキヤマガラシ報告
                                藤原昧々 記

4月19日(月)、天気は快晴。 気になっていたハルザキヤマガラシの現状を見たくて藤原岳山頂部に登ってきた。 あわせて抜き取り作業もやってきた。 私事で恐縮だが、このところ体力の衰えや体調の不如意がつづいており、心配していたヒザ痛もやはり起こって下山にたいへんな時間がかかり、戻った駐車場には、我々の車一台だけがぽつんと残っていた。

今年は、晩冬から初春にかけて気候が異常に暖かく、桜の開花も早かった。 この日は、ユリワサビやマルバコンロンソウの白い花がとりわけ美しく咲き乱れ、ヒロハノアマナ、トウゴクサバノオ、ミノコバイモの花もたくさん見られた。
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ヒロハノアマナ                    トウゴクサバノオ


さて、私たちの7、8m四方の実験観察地では、ハルザキヤマガラシの生育は50~60個くらい見られた。 もとは数倍以上だったわけで、これを多いと見るか私のように少ないと見るかはわかれるところだろう。 
心なしか、増えた空白地には、作業による土壌攪乱どころか、在来種のヒロハノアマナの生育密度が高くなっており、従来散見されたオオバコ類、イ、ドクダミなどは皆無だった。 これは我田引水的な感想かもしれず、さらなる観察が必要だ。
実験地内の作業はすぐ終了したので周辺に場所を拡張して抜き取り作業をした。 
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作業まえの実験地内                  ヒロハノアマナが増えた


暖かかった今年の場合は、ハルザキヤマガラシの抜き取り作業は、もっと早期にやれば、小さい草丈のものが対象になって作業も楽だし、周囲の土の掘り返しへの悪影響も少なかっただろうと、反省している。

ハルザキヤマガラシは写真のとおり、土中の長い根の中途からも芽をのばしてくるし、地上花茎の下部からもつぼみをつけて開花・結実する厄介な害草である。 環境にしぶとく適応して繁殖すると言われる。 だから、上部の花の刈り取りだけでは不十分であろう。
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根の中途から発育                   花茎下部での発芽 …見えますか?
 

抜去したハルザキヤマガラシの廃棄方法についてだが、私たちは、テーブル状の大きい岩のうえに抜いた草を積み重ねて置き、それを石や木で抑えて放置して枯れるにまかせている。 持ち帰る必要はなく、それで結果は問題ないようである。 しかし、多数の作業者が出す大量の廃棄草の山の場合は、岩の上では間にあわないので地上の一カ所に集めるしか方法がないが、その場合、ビニールシートなどで上を覆って、シートの周囲を石で抑える方法などはどうであろうか。 なにか改善の余地がありそうだ。
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前回の抜き取り放置草                  木で押さえた草


セメント会社は鉱区拡大にあわせて、車用の新道を西側に延ばしている。 この車道を車で利用させてもらえれば、多くの作業者が自由に時間をかけて駆除にあたれる。 ハルザキヤマガラシ蔓延の元凶が会社の鉱山開発行為にあったことは明白であるだけに、会社は害草防護に進んで協力する姿勢を示してほしい。 それでこそ、自然環境に優しい大企業と公言できるのではないだろうか。

昨年も本ブログで報告したとおり、ハルザキヤマガラシ駆除は、4月の早期と9-10月の秋生え刈り(昨年9月の拙稿「ハルザキヤマガラシ情報ー3」を参照)の年2回が適当だと思われる。
これを人海戦術で数年間続けるのがどうだろうか? 絶滅は不可能だが、蔓延をくい止めることは、どうしても図らねばならない。

Googleマップの藤原岳を見ると、「五月初旬のお花畑」と題して、ハルザキヤマガラシ蔓延の実態写真が黄金の「美景」として3枚も添えてあった。 「鉱山植物」ならぬ「高山植物」のお花畑と嘆賞されて採用されたのか? 「花の百名山」藤原岳がこのようなぶざまな誤解写真で紹介されるようになった事態に、関係者の方々は胸をいためてほしいと切に願う。
早期に防止に向けて、とりくまなければならない。

                                  2016年4月23日 記








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