藤原岳山頂で外来種猛威
2014.06.22 中日新聞 朝刊
藤原岳山頂で外来種猛威
いなべ市の藤原岳(1140m)の山頂付近で、外来種のハルザキヤマガラシが増え続けている。近年、全国の山々で猛威を振るっているが、有効な解決策は見つかっていないという。 被害軽減に向けて動き始めた藤原岳自然科学館(いなべ市藤原町市場)の安田喜正館長(64)に現状や課題を尋ねた。(佐野周平)
― ハルザキヤマガラシはどんな植物か。
欧州原産のアブラナ科で、日当たりの良い場所に生え、春から初夏にかけて黄色い花を咲かせる。 咲き終わる頃に落ちた種が秋に発芽し、翌春に咲く。花が咲くまでの間、枯れ草などの残骸が残り、登山者からは「見るに堪えない」「みすぼらしい風景」などと言われている。
― どのような経緯で藤原岳に自生するようになったのか。
山頂東側にある太平洋セメントの鉱区が始まりだった。 種は風で簡単に飛来するようなことはないので、車両のタイヤか作業員の靴に付いた種が落ち、咲き始めたのではないか。
― 山頂周辺の現状は。
五年ほど前から「ハルザキヤマガラシが鉱区で増殖している」とうわさで聞いていたが、当時はそれほど問題視していなかった。三年前に現地に足を運ぶと、鉱区から五百㍍ほど離れた山小屋周辺にも広がっており、事態の深刻さを認識した。現在では少なくとも三㌶ほどの群生地が鉱区に広がり、山小屋周辺や登山道でも見られる。群生地の周辺には希少種の植物も多く、在来種への悪影響が心配される。
― なぜ、ここまで広がったのか。
藤原岳は昔からシカの食害に悩まされ、荒れた場所がたくさんある。ハルザキヤマガラシは草木がない場所に生えるため、増殖しやすい環境だったといえる。
― どのような対処法が考えられるのか。
霧が峰高原(長野県)など他県でもハルザキヤマガラシに悩まされていると聞くが、根絶に成功した山はないようだ。三年前から山小屋周辺で見つけるたびに抜いているが、なかなか根絶には至っていない。現状では根絶は難しく、被害を広げないように様子を見守るしかないのではないか。本年度から三重県と本格的に協議を始め、六月中旬には県職員とともに初の現地調査をしたところだ。
― 登山者に呼び掛けることは。
群生地に足を踏み入れて抜こうとすると、靴底に種が付き、拡散につながる恐れもある。善意で抜いてもらうのはありがたいが、その際には注意深く抜いてほしい。
(中日新聞 2014.06.22 日 “ 聞く” 欄)
本ブログ ハルザキヤマガラシ関連記事(5本)
2013年6月 「黄禍 藤原岳山頂もあぶない!」
2014年5月 「ハルザキヤマガラシと長野日報」
2014年5月 「平成25年度第2回鈴鹿生態系維持回復協議会 議事要旨」
2014年5月 「山頂のハルザキヤマガラシを抜きとろう!」
2014年6月 「いなべ市市議会本会議 関係答弁」
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by mamorefujiwaraMT
| 2014-06-05 17:30
| 花だより
藤原岳関連 いなべ市議会本会議・関係者答弁 (答弁者の敬称略)
青字:編集部コメント
2013.02.21 市長日沖靖答弁
アウトドア用品のブランドとして有名な(株)モンベル。平成20年9月の豪雨で倒壊した御在所岳の山小屋を再建するなど、社会貢献活動でも有名です。このモンベルがアウトドアの活動拠点となる地域と提携し、全国35万人のモンベル会員に向けて地域の魅力を発信し、支援する「モンベルクラブ・フレンドエリア」の一つにいなべ市が登録されます。北海道ニセコや新潟県妙高など全国25カ所のフレンドエリアに、藤原岳や青川峡キャンピングパーク、宇賀渓を中心としたいなべ市が加わります。いなべが全国に向け発信されるとともに、交流を通して地域の活性化につなげます。
藤原岳がモンベルの登録に値するかつての「ブランド」をもっているかどうか、日沖市長は春の藤原岳にぜひ登って氏の目で実情を実感してきてほしい。 地元の石井書店・石井明子氏は藤原岳への山行が千回を超え、その著書「四季湧水」(1994年刊)は美しい藤原岳の写真で満ちている。石井氏が愛された藤原岳、作家・田中澄江氏が「花の百名山」に選んだ藤原岳がいま、どのような傷ついた姿を曝しているか、市長には実際に登って考えてほしい。
2014.03.03. 教育部長近藤重年答弁
それから、藤原岳自然科学館の関係でございますが、藤原岳自然科学館は24年4月に坂本地内から藤原文化センターの現在の場所に移転をさせていただきました。25年度1月末現在で、入館者8,000人を超えるという集計でございます。
現在の藤原文化センターの1階ロビーを中心に展示をさせていただいております。フロアの段差であったり展示施設の老朽化等ございますし、また、ほかの各種健診とかサークル活動とか、そういった行事での来館者と入りまじることもございますので、落ちついて観察できるような形に整えていきたいなというふうに思っております。また、資料等、数多くあるものを収納するスペース等も手狭でございますので、その整備も図っていかなければならないというふうに思ってます。
これらを受けて、文化センター建築後、約25年経過しておるわけなんですが、全体の更新の器具もございますので、それらも合わせて整備が必要であろうというふうに考えております。それらを鑑みまして、26年度で整備計画調査をさせていただき、それ以降の年度に設計、改修工事が進められるようにしていきたいという思いでございます。
2013.03.06 教育部長近藤重年答弁
次に、資料館でございます。郷土資料館及び藤原岳自然科学館につきましては、答申では廃止という答申をいただいております。なお、藤原岳自然科学館につきましては、24年4月から藤原文化センターでリニューアルオープンをさせていただき、廃止をさせていただいたところでございます。
2013.03.11 農林商工部長川瀬勉答弁
お尋ねの(1)の有害鳥獣事業のサル追い払いにおいて、現場で指導教育を強化して効果を上げられないかということでございます。
これまで要望がある地区を対象にいたしまして、三重県桑名農政環境事務所、三重県農業研究所及び三重県中央農業改良普及センターの専門員の方々を講師に迎えまして、追い払いを含めた有害対策出前講座を開催しています。
出前講座は対象獣の習性などを学び、獣害に遭わない集落づくりをやっております。また、そこではロケット花火の発射器を自作し、現地で花火を撃つ追い払い方法も実施を行っておるところでございます。
過去に出前講座を行った集落では、「猿追い払い隊」や「猿追い出し隊」を自発的に発足をさせ、在宅する高齢者を中心に隊を構成して、被害防止に努めていただいております。
御質問にありますように、現場での指導は獣害対策に十分な効果があり、実施する集落ではその効果が顕著にあらわれておるというような状況でございます。今後も要望をいただきました集落に対しまして、出前講座を実施しまして、できるだけ守れる集落づくりというのを進めていきたいというふうに思っております。
2点目のサル捕獲処理費を猟友会から希望が出ている1頭につき2万円にできない理由というようなことでございます。
この点につきましては、先般、猟友会の会長さんともお話を伺う機会がございまして、いろいろ御相談をさせていただいたところでございます。私どもも協議をいたしまして、処理費を上げることによりまして、猟友会の会員の皆さんの駆除への取り組みが積極的に行われまして効果が上がるというようなことでございましたら、猟友会さんとも再度協議をさせていただきまして、新年度から値上げも考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
(3)の、モンベルフレンドエリアへの登録と藤原山荘のトイレの御質問でございます。
トイレの建てかえにつきましては、平成26年度に、一応、国の交付金等をいただきまして、事業を実施したいというふうに考えておるところでございます。本年度の予算とは関係ございませんが、26年度で取り組みをしたいというふうに思っております。
それとまた、モンベルのフレンドエリアへの登録につきましては、私は昨年の10月に藤原岳から治田峠、それから竜ヶ岳、それから石槫峠までを一応縦走させていただきまして、山の状況等を拝見させていただいたところでございます。そういった現地確認をさせていただきまして、今回、登録の予算を計上させていただいたものでございます。以上でございます。
2013.06.11 教育長片山富男答弁
おはようございます。今、清水議員のイヌワシの保護管理についてということで2点御質問をいただきました。それにつきまして答弁をさせていただきます。
まず、1点目の文化財担当部局として、今までの実績と今後の計画のお尋ねですが、御承知のとおりイヌワシは種指定の国天然記念物であり、その生息個体数は極めて少ないこと、三重県におきましては、1ペアがいるというところから絶滅危惧種に指定されておるところでございます。
いなべ市内北勢町、藤原町区域に当たります鈴鹿山脈に、今、申し上げましたイヌワシ1ペアが営巣しており、主に藤原岳付近をえさ場にしているとされております。
当地のイヌワシに関する市教委の保護管理は、イヌワシの繁殖活動に対する影響のおそれから、新町谷青川上流等での踏査及び遠方からの目視観察数回にとどめておりますが、それは現在に至るまでイヌワシの個体そのものを直接保護する必要性または緊急性がないと考えられるところからの対応でございます。
しかしながら、国の天然記念物であり絶滅が危惧される我が国では、最大級の猛禽類であるイヌワシが生息していることから、市民等のイヌワシに対する理解と保護意識の向上を目的に、イヌワシの生態等に関する資料及び剥製標本を藤原岳自然科学館で常設展示しているところでございます。
なお、先ほど、議員、官報のほうから言われましたが、平成22年9月12日から10月24日にかけて開催されました、いなべ市COP10パートナーシップ事業の記念イベントといたしまして、鳥類生態学者でアジア猛禽類ネットワーク会長であります山崎亨氏に東海地方のイヌワシと自然環境という講演をいただき、市民等のイヌワシに対する理解と保護意識の向上を図ったところでございます。その講演記録を官報に掲載させていただいているところでございます。
次に、今後の計画といたしまして、現段階のイヌワシの保護管理につきましては、個体への直接的アプローチよりも、その生態等に関する学習及び啓発を進めていく必要があると考えているところでございます。
また、イヌワシなどの天然記念物にかかわらず、文化財は適切な保護管理を行うと同時に、保存と活用を行っていきたいと考えておるところでございます。
イヌワシに関しましては、藤原岳自然科学館での教材展示を引き続き行うなど、今後も市民のイヌワシに対する理解を深め、個体の保護意識の向上に努めてまいります。
あわせて個体の保護管理等に関しては、三重県、関係機関と情報の共有を行うとともに、必要に応じて日本野鳥の会などへも情報の照会を行ってまいる考えでございます。
次に、2点目の教育長として今までの実績と今後の計画という御質問でございますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に規定されております教育長の職務といたしましては、教育委員会の権限に属する全ての事務をつかさどるとされております。したがいまして、教育委員会の職務権限に規定されました学校教育、社会教育にかかわる19項目の事務の執行がございまして、文化財の保護に関することも含まれておるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げました文化財担当部局の実績と今後の計画というものが、教育長の実績と今後の計画ということになろうかと判断しておるところでございます。以上でございます。
2013.09.05 農林商工部長川瀬勉答弁
藤原山荘トイレの改修と聖宝寺登山道の修理を問うということで、1点目の藤原山荘のトイレの改修計画でございますが、藤原岳の環境を守る趣旨からも、改修に向けて県に働きかけを行っているところでございます。
具体的には、環境省の交付金事業であります自然公園等施設整備事業を活用しまして、来年度の平成26年度の実施に向けまして、去る8月22日に県の四日市農林事務所のほうへ施設整備事業計画書を提出したところでございます。
2点目の聖宝寺登山道の修理計画と工事予定はという御質問でございます。
鳴谷川の砂防工事も完了しまして、登山道に入ることも可能になりましたので、先般、私どもの担当課長と担当の者が登山道を見に行ったわけでございますけれども、相当修理をしなければ危険な箇所があるということで、現場を見てきたところでございます。
今後、正確な修理箇所、修理費用等調査をした上で、複数の山岳会の方々で組織をする藤原山荘運営委員会の協力もいただきながら、修理、改修を検討してまいりたいと思っています。
また、修理には相当期間もかかると思われます。修理の完了までには期間がかかると思いますので、それまでの間につきましては、登山道の起点及び藤原岳の8合目に通行注意喚起の看板を設置をしたいというふうに考えておるところでございます。
3点目でございます。観光的ガイド及び入山保険に関する計画はということでございます。
登山の安全と自然保護を含めたマナーの指導等を行う観光ガイドでございますけれども、人的確保、運営等を含め検討を始めたいと考えているところではございます。
また、入山保険に関する計画でございますけれども、入山料を徴収しまして、支払者に対して入山保険を加入したりすることもできるかもわかりませんけれども、現実問題としまして、藤原岳、大池岳、竜ヶ岳、それらへ登る登山道というのは何本かのルートもございます。そういったことから、入山料徴収員を配置することも相当の人数が必要ということになりますから、困難だというように考えることから、現在のところは入山保険に関しては、市として計画は持っていないというような状況でございます。以上でございます。
2013.12.11 市長日沖靖答弁
坂本、大貝戸の土石流の発生源対策も一緒ですけども、発生源は山全体に及んでおりますので、どこが発生源かというのは山全体が崩れております。一番最初、平成14年に発生し、そして私が就任したのが平成15年で、16年に土石流対策という専門家、大学の教授も入った形での委員会がありました。そのときに国土交通省さんも入っていただいて、大貝戸、坂本の話ですけど、発生源対策という案も出てました。ですけど雨水コンクリートをどう山のほうにまくのか。セメントで発生源を固めたらいいじゃないかという意見もあったんです。ですけど現場へ行っていただくとわかりますけども、発生源は藤原岳の頂上付近から来てますので、山全体をそしたらコンクリートで覆うのかという話になるわけです。ですから発生源の議論はなくなりました、その後。除石という方向に大転換をしております。まだ広域砂防ではございませんので、ここは限定した県事業の砂防工事ですから、堰堤にためて、それを除石する、その繰り返しになるということです。ですから延々続きます。だからかたい岩盤が出て、もうそこから崩落しないところまでさざれ石のもとです。上へ行きますと、物すごい細かい石が、踏んだ足がぐっとのめり込むような状況ですので、その石全部が下に落ちてしまわない限りは終わらないと感じます。ですから発生源対策というのが不可能なんです。徐々にこの繰り返しですけど、こんな繰り返しやっとってと言いますけど、地球規模から考えますと、歴史でも微々たるものなんです。このいなべの扇状地ができたのは、鈴鹿山系と養老山系のできた扇状地ですので、基本的には、ですから山が全体、要はかたい岩盤まで崩れきらないことには終わらない。それは何百年かかるのかわからないという現状でございます。以上です。
山を金銭の対象にせず、シカを徹底的に防除し樹木を育てて、山の地表を植物でしっかりとおおうことが大切ではないだろうか? 土木工事のみでの解決に、無際限な税金の費消はおかしい。
まず、増えたシカによる、樹木の若芽の食害をなんとしてもくい止める必要がある。 莫大な堰堤建設の費用の一部を、猟師への助成金にあて、若い猟師の雇用促進をはかるのはどうだろか。
2013.12.12 教育長片山富男答弁
まず、清水議員お尋ねの、藤原鉱山で国定公園の内外を問わず、外来植物ハルザキヤマガラシの大群落の除草ということで、まず教育長は現場を見に行っているのかということで、先般、お誘いをいただいたときに、公務により行けないということでお断りさせていただきました。その後も行く機会がなくて、現在、教育長として職務をしてから、藤原岳、あるいは孫太のほうへは登ってはおりません。
どんな方法で計画的に除草されますかというお尋ねなんですが、外来植物ハルザキヤマガラシの群落の除草でございますが、議員御指摘のとおり、ハルザキヤマガラシはヨーロッパに自生する二年性の植物でございます。1960年代に麦類の輸入で混入したのではないかというアブラナ科の外来植物でございますが、外来生物法の規制対象となる特定外来生物や未判定外来生物とは異なり、いわゆる外来生物法による規制が課されるものではございません。しかし、この生態系に悪影響を及ぼし得ることから、利用にかかわる個人やあるいは事業者等に対し適切な取り扱いについて理解と協力をお願いする要注意外来生物リスト148種類の一つとして選定されているところでございます。
なお、日本生態学会におきましては、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されておりますが、被害に係る科学的な知見や情報が不足しており、専門家等による知見等の集積や提供に努めるべき外来生物でございます。
今、写真をお持ちさせていただきましたが、これ、藤原岳の自然科学館長が山頂で撮影したものです。見ていただきますときれい。5月から6月にかけて、アブラナ科の植物ですので、菜の花が一面に咲きほこっとるというようなふうに思われるかもしれません。このような群落をつくって、今、繁茂しておる状態です。
大変繁殖力が強く、藤原岳のような自然性の高い環境に侵入したものと考えられます。
現状といたしましては、太平洋セメントの山頂鉱区から南西方向に広がっており、展望台のほうへ向かう登山道の東100メートルほどのところまで広がっております。
このようにハルザキヤマガラシは藤原岳山頂付近で大繁殖しておりますが、よく日の当たる林間の部分でも、いわゆる林の中でもぽつぽつ、今、見かけられることから、より寒冷な気候と乾燥に適応していると考えられます。
今、申し上げましたように、5月から6月にかけて花を咲かせ、実をつけ、種子をつくりますが、種子は地上にこぼれて芽を出し繁殖しますが、種子は何年もしてから芽を出すということから、植物体を根こそぎ抜き取ったからといって、完全に駆除。 (以下 欠如)
「完全に駆除」は困難でも、毎年抜き取り作業を続けることで、在来植物への影響を大巾に軽減できることは、長野県や東北での取組みの実例をみても明らかだ。 放置すれば市長の発言にある「いなべ市のブランド」の自然が全滅する。鉱山現場周辺の山の荒廃ぶりをご存知ないから現実の危機感がないのだろう。 要は、行政のやる気と実行しかない。 気がかりなのは、ハルザキヤマガラシに対する誤った知識と見解だ。ヨーロッパ原産の外来種のため、気候が冷涼な場所を好み、藤原岳山頂はパラダイスとなろう。運んだ元凶がセメント鉱山の車輌であることへの認識と言及がない。「特定外来生物」にまだ指定されてないことを、静観と及び腰の弁解にしているが、この草は繁殖力が強く、在来植物を駆逐するきわめて悪質な「要注意外来生物」であることへの理解が浅い。種子は強靭で何年も生存すること、また地上部の剪定は逆効果で根から抜き取る必要があることなどを知っておかねばならない。霧が峰や浅間山の長年の真剣な取組みを見習いたい。
2014.02.20 市長日沖靖答弁
藤原岳山頂トイレの改修
“絵日記を描きたくなる、最高のアウトドアステージ”。いなべ市を紹介したアウトドアの総合メーカー(株)モンベルの見出しです。いなべ市は昨年、山の愛好家の誘客にモンベル46万人の会員向けに情報が発信される「モンベルフレンドタウン」に登録しました。中でも、花の百名山藤原岳は年間5万人もの登山者が訪れる人気の山です。その山頂にあるトイレは、藤原山荘運営委員会の皆さんで管理されていますが、建築後30年が経過し老朽化は否めません。そこで環境省の交付金を活用してトイレを建てかえ、山ガール(女性登山者)へのイメージアップを図ります。
全国へのプロモーション
いなべの魅力を首都圏で発信し、“いなべ”を売り込みます。昨年、三重県が東京日本橋にオープンした首都圏営業拠点「三重テラス」の来客数は、伊勢神宮式年遷宮の影響もあり、平成25年度の目標11万を大幅に上回る18万人に達しています。
いなべ市は平成26年3月21日から3日連続で「いなべ市フェア」を開催。西日本人気№1の青川峡キャンピングパークや花の百名山藤原岳の紹介、モンベルウエアで着飾った「いなべ総合学園高校山岳スキー部」のファッションショー、清流の聖魚ネコギギの東京初上陸など、いなべの魅力が満載のイベントです。
今年度も話題性のあるテーマを発掘し、いなべの魅力を全国に発信します。今年度もよろしくお願いを申し上げます。
花のない「花の百名山」。 藤原定家(昧々)も「見渡せば花も草木もなかりけり 藤原岳の春の夕暮れ」と嘆くだろうほど、かつて全山、早春のエフェメラル植物が咲き匂った藤原岳の草花は、種数も量も激減した。 毎年藤原岳自然科学館が開催する自然観察会でも、関係者の一致した感想である。
2014.03.03 教育部長近藤重年答弁
それから、藤原岳自然科学館の関係でございますが、藤原岳自然科学館は24年4月に坂本地内から藤原文化センターの現在の場所に移転をさせていただきました。25年度1月末現在で、入館者8,000人を超えるという集計でございます。
現在の藤原文化センターの1階ロビーを中心に展示をさせていただいております。フロアの段差であったり展示施設の老朽化等ございますし、また、ほかの各種健診とかサークル活動とか、そういった行事での来館者と入りまじることもございますので、落ちついて観察できるような形に整えていきたいなというふうに思っております。また、資料等、数多くあるものを収納するスペース等も手狭でございますので、その整備も図っていかなければならないというふうに思ってます。
これらを受けて、文化センター建築後、約25年経過しておるわけなんですが、全体の更新の器具もございますので、それらも合わせて整備が必要であろうというふうに考えております。それらを鑑みまして、26年度で整備計画調査をさせていただき、それ以降の年度に設計、改修工事が進められるようにしていきたいという思いでございます。
展示物は、いいも悪いも藤原岳の今あるがままの姿を見学者に公開するべきではないか? シカの食害、生態系の激変ぶり、ハルザキヤマガラシの蔓延の実態、鉱区拡大の範囲と予定など。 藤原岳のかかえるさまざまな問題を館員や運営委員たちが議論し、あるいは、藤原岳を運営委員たちの手で専門的に全面調査しその結果を見学者に公表してゆくことが望まれる。 同じような条件下にある秩父の武甲山の科学館では、市民へのそうした姿勢がみられるのだから、いなべ市だけができないわけではない。
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諏訪市市民のハルザキヤマガラシとの取組み
長野日報記事より
2014-6-10 長野日報
諏訪市の「霧ケ峰高原を美しくする会」と、41機関・団体でつくる霧ケ峰自然環境保全協議会は10日、帰化植物ハルザキヤマガラシの除去作業を行った。地元自治会や旅館組合、牧野農協、市、県などから86人が参加。繁殖力が強く在来植生への影響が懸念されており、約510キロを抜いて処分した。
「美しくする会」は強清水や車山肩、沢渡方面で、協議会はグライダー滑走路付近の斜面でそれぞれ取り組み、道路沿いや植生地で黄色い花を咲かせた欧州原産の植物を抜き取った。参加者は「花自体はきれいなので、写真を撮る観光客も多いよ」と話しながら手を動かした。
協議会は、昭和30年代の植生を目標にした「霧ケ峰自然保全再生実施計画」に基づく駆除活動で、車山高原(茅野市)のセイヨウタンポポに続いて実施した。次回は20日に特定外来生物・オオハンゴンソウを除去する。
厄介物”根こそぎ除去 諏訪市春の一斉清掃外来植物駆除
更新:2014-5-26 6:00 長野日報
諏訪市の春の全市一斉清掃と美しい環境づくり諏訪地域推進会議の外来植物(アレチウリ、ハルザキヤマガラシ)駆除作業は25日、市内各地で行われた。作業には、市民ら合わせて995人が参加。諏訪湖畔でごみを拾い集めたほか、上川河川敷では、繁茂が目立つアレチウリなど“厄介植物”を除去した。
このうち、外来植物駆除作業は今年度、上川河川敷での継続的な除去作業のスタート。地域で活動する児童たちの「しがっこクラブ」や諏訪南中学校全校生徒、同会議メンバー、地域住民ら500人余りが参加した。
同市四賀の旧諏訪署跡地であった開会式で、上原哲夫副市長は「上川の美観のための作業。川の水は諏訪湖に流れ込み、川の美観は湖の美観にもつながる」とあいさつし、環境活動に協力を求めた。
作業区間は右岸が車橋から鷹野橋まで、左岸が車橋から新六斗橋までの総延長約1.8キロ。参加者はさっそく担当区間に分かれて作業を始めた。
河川敷には、ハルザキヤマガラシの黄色い群落があちらこちらにあり、アレチウリも枯れたヨシの間に20センチほどの芽を伸ばし始めていた。生徒たちは、外来植物を根こそぎ抜いては、燃えるごみとしてビニール袋に回収していた。
作業を始めると、すぐに袋はいっぱいに。参加者は「1回や2回の作業では、とても取りきれない」と、改めて外来植物の繁殖の勢いに驚いていた。
今回の一斉清掃・駆除作業で、2094キロ(可燃1967キロ、不燃127キロ)を回収。昨年度比で396キロ増。今回は外来植物駆除も合わせて行ったこともあり、昨年度に比べ可燃ごみが約440キロ多かった。
霧ケ峰でハルザキヤマガラシ除去 シニア大学有志が初参加
更新:2013-6-12 6:00 長野日報
諏訪市の霧ケ峰高原を美しくする会(会長・山田勝文市長)は11日、霧ケ峰高原に生える帰化植物ハルザキヤマガラシの除去作業を行った。地権者や地元自治会、市、県などの関係者のほか、県シニア大学諏訪学部2年生の有志も合わせて124人が参加。道路脇に黄色い花を咲かせるハルザキヤマガラシを抜き取った。
参加者は、車山肩や池のくるみ方面など4班に分かれて、道路沿いに目についた帰化植物を根こそぎ抜き取った。今回の作業で、320キログラムを取り除いた。
市観光課によると、「以前は黄色い花畑のようだった、と話す人がいるほど」だったが、現在は道路端に点在するように生え、所々、密集した場所もある。地道な除去作業の継続で、繁茂を抑制している状態だという。
初めて参加した同学部の学生は「地域でボランティア活動を」と、約50人が集まった。仲間に参加を呼び掛けた同市渋崎の藤森清江さん(68)は「みんな地域に役立ちたいという気持ち。これほど集まるとは思いませんでした」と、仲間の自然に対する思いを喜んだ。
ハルザキヤマガラシは、ヨーロッパ原産のアブラナ科の多年草。小さい鮮やかな黄色の花が咲く。除去作業は、在来種の植生維持を目的に1993年度から始めている。
霧ケ峰の在来植生守ろう 美しくする会がハルザキヤマガラシ除去
更新:2012-6-13 6:00 長野日報
諏訪市の「霧ケ峰高原を美しくする会」は12日、帰化植物ハルザキヤマガラシの除去作業を行った。地元自治会や旅館組合、牧野農協、市、県などから約80人が参加。繁殖力が強く、在来植生への影響が懸念されており、計550キロを抜いて処分した。
欧州原産のアブラナ科の多年草で、同会は毎年この時期に駆除している。メンバーは強清水や車山肩、八島、池のくるみ方面に分かれ、道路沿いや植生地で黄色い花を咲かせた帰化植物を、根が残らないように抜き取った。
同会事務局の市観光課によると、除去量は昨年度より240キロ増えた。約20年間にわたる地道な取り組みによって抑制はできているものの、「撲滅には至らない」という。菜の花畑のような場所もあり、参加者からは「取り切れないわ」との声が上がった。
諏訪、茅野、下諏訪の3市町にまたがる霧ケ峰では、県の委託を受けた有識者グループの調査で56種の外来植物を確認。人や車が集まる道路沿いの区域で目立ち、特定外来生物オオハンゴンソウも複数区域で見つかった。県では今年度、外来植物の効果的な駆除・抑制方法を確立するモデル事業を強清水地区で進めていく。
帰化植物ハルザキヤマガラシ 霧ケ峰で駆除量増
更新:2010.06.17 長野日報
諏訪市の「霧ケ峰高原を美しくする会」と小和田牧野農業協同組合が16日までに、それぞれ同市郊外の霧ケ峰で除去した帰化植物のハルザキヤマガラシが1トンを超えた。昨年この時期の駆除量は約450キロと過去最少となり、関係者は抑制への手応えを口にしていたが、「また元に戻ってしまった」とショックを隠し切れない様子。強い繁殖力に対抗するため、「一般市民を募っての駆除が必要だ」との声も出ている。
欧州原産のアブラナ科の多年草で、霧ケ峰では20年ほど前から目立ち始めた。鮮やかな黄色い花が咲き、カメラに収める観光客もいるが、繁殖力が強く在来種への影響が懸念されるため、同会は1993年度から駆除に取り組んでいる。
15日に行われた今年度の作業には、市や自治会、旅館組合などから約70人が参加。強清水や車山肩、八島ケ原湿原の諏訪市側などで、草丈が50センチほどになったハルザキヤマガラシを、根が残らないように抜き取った。「昨年とほぼ同じ時期、場所、範囲での作業だったのに、なぜこんなに増えたのか」と、事務局の市観光課は首をかしげる。
一方、小和田牧野農業協同組合は、蛙原の組合所有地を中心に今月上旬から定期的に駆除している。「今年は本当に多く、広範囲に咲いていて手を焼いている」と藤森順三組合長。「(春先の天候不順で)一気に暑くならなかった気象的な要因が、芽の出方を促進させた可能性はある」とも推測する。
霧ケ峰では、同じく帰化植物で草丈が1メートル以上になるオオハンゴンソウも目立ち始めている。藤森組合長は、植物の花芽を食べるニホンジカに匹敵する「脅威」とし、「継続的に駆除していかないとヤナギランやマツムシソウがやられてしまう。休日に作業を計画し、市民の力を借りて取り組んでいく必要がある」と話している。